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カーペットバイパーの生態や毒性について。インド四大毒蛇!

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カーペットバイパーという毒蛇をご存知ですか?

カーペットバイパーは「インド四大毒蛇」のひとつで、インドで最も犠牲者の数が多く恐れられている毒蛇です。

なぜたくさんの人がかまれてしまうのか。

今回は、カーペットバイパーの生態や毒性について情報をまとめました。

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カーペットバイパーとは?

カーペットバイパー

出典:wikimedia

カーペットバイパーは、クサリヘビ科トゲクサリヘビ属に分類される毒蛇です。

英語圏ではクサリヘビ科のヘビをバイパーと呼びます。

学名は「Echis carinatus」で、英名は「Carpet viper」「Indian saw-scaled viper」「little Indian viper」などです。

和名は「ノコギリヘビ」です。

 

分布域や生息地

カーペットバイパーの分布域は、主にインドで、中東や中央アジアなど広範囲に及びます。

具体的な国名でいうと、

・インド、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、オマーン、マシーラ島、アラブ首長国連邦、イラン、イラク

です。

 

生息地は、標高1000m以下の低地で、砂漠・半砂漠・熱帯雨林・低木林・雑木林・混合湿潤落葉広葉樹林・草原・岩場など、あらゆる場所です。

また、道端・畑・洞窟・落ち葉の中などでも見かけます。

 

分布域が広く、個体数も多いので、噛まれる事故が後を絶ちません。

毒蛇の中にはシャイな性格の種類もいますが、カーペットバイパーは人間がたくさんいる場所にも平気で出没するため、遭遇する確率がとても高いという意味でも危険な毒蛇とされます。

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体の特徴

カーペットバイパーの全長は40~60㎝で、通常は60㎝以下の小さな個体がほとんどですが、最大サイズだと80㎝にもなります。

インドの毒蛇「ビッグ4」の中では最も小さい種類です。

 

頭部は梨型で、瞳は垂直の楕円形、牙は長く折り畳み式になっています。

体色は、茶褐色・灰褐色・オリーブ・淡い茶色などで、白い模様が網目のように並んでいます。

この模様のため、落ち葉の中に紛れ込んでしまうと判別できなくなります。

 

鱗はザラザラしていて、警告音を出すときにはこの鱗同士をこすり合わせます。

この警告音がノコギリで木を切る時の音に似ているので、和名の由来ともなりました。

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生態と性格

カーペットバイパーは動物食です。

エサは主にネズミ・カエル・トカゲ・ムカデ・クモ・サソリ・大型昆虫・ヘビなどの小動物です。

何でも良く食べる性質を持っているので、生息地によって主食は変わります。

エサに対する好き嫌いがない事も、生息数が多い理由ですね。

 

夜行性なので狩りは夜に行いますが、熱で獲物の場所を探すことができる「ピット器官」は持っていません。

昼間は深い巣穴や岩の割れ目、腐った木の中など、隠れられそうなあらゆる場所に隠れています。

カーペットバイパー

出典:wikimedia

普段は地上で生活していますが、雨が降るとほとんどの個体が低木に登ります。

20匹ほどのカーペットバイパーが木の上に密集している姿も目撃されています。

北部に生息している個体は、冬になると冬眠します。

繁殖方法は胎生で、夏のモンスーンの時期に6~8匹の体長8㎝ほどの仔蛇を出産します。

 

カーペットバイパーの動きは機敏で、移動するときは主に横向きです。

すばやく移動できるだけでなく、熱せられた砂の上を移動する時には、熱い砂と接する部分が少なくて済むのです。

 

 

カーペットバイパーの性格ですが、とても気性が荒く、人間がうっかり近づくとそれだけでも噛みつかれます。

この攻撃性の高さから、インドでは「四大毒蛇」として、インドコブラ・アマガサヘビ・ラッセルクサリヘビと並んで恐れられています。

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カーペットバイパーの毒性

カーペットバイパーの毒は、主に出血毒ヘモトキシンという猛毒成分です。

クサリヘビ科の中でも毒性が強く、コブラの5倍、ニホンマムシの130倍とされ、昔は致死率が36%と高いものでした。

 

カーペットバイパーが持つ毒は平均18mgとされますが、記録によると最大72mgも持っていたことが判明しています。

さらに恐ろしい事に、成人の致死量は約9mgなのですが、一度に最大12mgも注入する場合があると言います。

カーペットバイパー

出典:wikipedia

噛まれた場合、一度に注入された毒の量にもよりますが、腫れや痛み出血患部の壊死、が起こり最悪の場合死に至ります。

とは言え、現在では抗毒血清があるので、死亡する例は稀です。

しかし、死を免れたとしても、噛まれた手足が壊死を起こし切断するといった、深刻な事態に陥ることも多くあります。

 

そうなんです、抗毒血清は、命を守ってはくれますが、毒による患部の組織破壊までは抑えることができないのです。

ですが、現在マウスを使った研究が進んでいて、将来的には毒による組織破壊を防ぐことが可能になるかもしれません。

 

まとめ

カーペットバイパーは、中東や中央アジアなどに広く生息する毒蛇です。

インド四大毒蛇の1つであり、最も咬傷被害が多い種になり現地では非常に恐れられています。

 

カーペットバイパーが「世界最毒蛇ランキング」の中で13位にランクインしている理由は、分布域の広さ・生息地の多様さ・食性の幅広さ・毒の強さですが、最大の理由は、その性格のどう猛さにあります。

体長40~60cmほどの小さな蛇なので、気付かずに近付いてしまう恐れも高くかなり危険な蛇だと言ってもいいでしょう。

インドや中東に旅行に出かける際には、十分注意したいものですね。

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