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インドコブラの毒性や生態と天敵について。インド四大毒蛇!

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「コブラ」という言葉を聞いて思い浮かべるのは、どこかの国で蛇使いが笛を吹きながらコブラを操っている姿かもしれません。

ですがそれは「コブラ」の一面に過ぎません。

「インドコブラ」をはじめ「コブラ」と名が付く蛇は「コブラ科」に属しており大抵の場合、人間が噛まれると死に至る「毒」を持っています。

今回は、インドコブラの毒の危険性、その生態や天敵についてご紹介させていただきます。

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インドコブラの生態

インドコブラ

出典:wikimedia

インドコブラは、コブラ科フードコブラ属に分類される毒ヘビです。

体長は120~160cmほどですが、大きな個体だと250cmにもなる大型の毒ヘビです。

危険を感じると、鎌首を1m近くまで持ち上げ、フード(首の付け根の広い部分)を広げて威嚇するのは有名ですね。

フードの背面には、二つの目玉模様がつながったメガネのような斑紋があります。

 

インドコブラの主な分布域は、その名前にもあるようにインドを中心として生息しています。

インド以外にもネパール、スリランカなどに生息していますが、その生息域は限られておりもちろん日本には生息していません。

インドコブラ

出典:wikimedia

インドコブラは主に森林から草原など様々な場所に生息していますが、、農作地にも生息しているため人間と接触する機会が多い毒ヘビであると言えます。

そのため、インドコブラの生息域であるインドでは毎年1万人が咬まれています。

 

実際にインドでは、インドコブラは四大毒蛇の1つとして恐れられています。

ちなみに、他の3つは、ラッセルクサリヘビ、アマガサヘビ、カーペットバイパーです。

 

食性は動物食、つまり肉食であり小型爬虫類や小型哺乳類を捕食します。

捕食の方法はそっと獲物に忍び寄り、毒を注入するため獲物に牙を突き立て、口をあけたまま獲物をホールドし獲物が動かなくなって初めて丸呑みにします。

毒を用いることで獲物の動きを封じているわけです。

また、もし獲物を逃したとしてもインドコブラの毒で獲物は遠くには逃げることはできないでしょう。

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インドコブラの天敵

コブラに科属するインドコブラですが、コブラの神経毒に抗体を持つマングースワシのような猛禽類が天敵とされています。

ただし、猛禽類も咬まれるとコブラの毒に侵されるので鋭い爪で頭を潰してから食べたり、マングースもコブラを主食としているわけではありません。

 

ただクジャクにはコブラに対する抗体があり、コブラ科を好んで捕食するのでコブラの天敵と言えるでしょう。

そのため、アジアではクジャクが魔除けの象徴として祭られている地域もあるそうです。

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コブラ踊りができる?

恐ろしいインドコブラですが、人間に飼いならされた個体ですと、テレビで見るような「蛇使いが笛を吹き、コブラが音に合わせるかのように左右に揺れ動く」という芸もできるようになります。

ただし、あの行動は音を聞いているのではなく、目の前にいる蛇使いや笛に対する威嚇行動とされており、蛇使いがコブラの威嚇動作に合わせて笛を動かしているから、コブラが踊っているように見えるという話もあるようです。

 

実際のところ危険であることには変わりなく、蛇使いが咬まれることもあるのだとか。

しかし、芸に使われるコブラは毒を抜いているため咬まれても大丈夫なようです。

 

ちなみに、現在は法律でコブラが保護されているため蛇使いは激減しているそうです。

 

インドコブラの毒性

インドコブラ

出典:wikimedia

強力なインドコブラの毒ですが、その種類は主に神経毒に分類されます。

インドコブラに咬まれると、麻痺痺れ呼吸困難などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。

また、インドコブラの毒は主に神経毒ですが、出血毒の成分も含まれるため患部を中心に壊死を引き起こす可能性もあります。

 

ちなみに、二ホンマムシやハブの毒は出血毒で患部の腫れや壊死を引き起こしますが、コブラ科の神経毒の方が致死率は高いとされています。

 

マムシの35倍!?

蛇の毒を測定する際に用いられる言葉に、”半数致死量=LD50”というものが存在します。

これは実験動物にその毒を投与し、投与された動物の半数が死亡する毒の量を体重1kg当たりで算出しています。

そして、インドコブラのLD50は0.45mg/kgとされています。

ニホンマムシは16mg/kgとされていますので、「インドコブラは二ホンマムシの約35倍も強力な毒を持っている」ことになります。

また、その毒量も多いため、1匹のインドコブラで殺せる人間(体重60kg)の数は22人にもなります。

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インドコブラに咬まれたら死ぬ?

その生息域の広さから古来より人間との接触が多く、人間が咬まれる被害の多さがインドコブラの特徴とも言えます。

そのため毒の強さを差し引いても、その遭遇率の高さから最も危険なコブラとされてきました。

ですが、近年では医療の発達に伴い、インドコブラに咬まれた際の死亡率は低下しています。

 

ただし、血清治療を受けないとかなりの確率で死亡すると思われるので、万一咬まれることがあれば必ず病院へ行きましょう。

 

まとめ

インドコブラの特性に付いて覚えておくことがあるとするなら

1、インドコブラの毒は神経毒だが出血毒も含まれる

2、神経毒はマムシなどの毒である出血毒よりも致死性が高い

3、インドコブラの生息域は人間と重なる点が多いため遭遇率が高い

4、現在は医療も発達し血清も存在するため死亡率は低い

というのがインドコブラの特徴と言えます。

 

ちなみに、インドコブラを始めとするコブラ科は、日本では特定動物に指定されているため飼育には特別な許可が必要となっています。

ただ、絶対に逃げられない環境や、血清とエサの確保など個人で飼育するのはまず無理だと思われますが・・・。

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