危険な寄生虫

横川吸虫とは?感染経路や予防法、治療法をご紹介。

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横川吸虫とは?

横川吸虫

出典:wikipedia

横川吸虫はその成虫が人の小腸粘膜に寄生する、体長1~1.5mmの楕円体形をした寄生虫です。

横川吸虫に寄生された人は横川吸虫症という病気を発症する場合があります。

 

扁形動物門吸虫網二生吸虫亜網後睾吸虫目異形吸虫科に分類される生物で、学名をMetagonimus Yokogawaiといいます。

医学者・横川定が台湾産の鮎から発見したのでこの名が付けられました。

 

日本・韓国・台湾・中国大陸など東アジアやマレーシアなど東南アジア地域に広く生息しており、遠くはスペインやシベリアでも生息が確認されています。

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感染経路

横川吸虫の虫卵は自然の外界では孵化せず、水中や土壌内などに卵のまま存在します。

淡水の巻貝カワニナが餌を摂取する際に、一緒にその体内に侵入すると、初めて孵化します。

 

第1中間宿主(チュウカンシュクシュ)であるカワニナの体内で孵化した吸虫の幼生は、ミラキジウム(ミラシジウム)、スポロキスト(スポロシスト)、レジア、ケルカリア(セルカリア)と変態を繰り返しながら成長すると、最後にカワニナの体を破って水中に出て行きます。

 

水中を漂ったケルカリア幼生は、第2中間宿主である鮎、白魚、ウグイなど約40種類の淡水魚の鱗、皮下、筋肉に寄生します。

鮎では鱗の下、白魚では筋肉内に寄生している事がよくあります。

第2中間宿主の体内でケルカリア幼生は感染型幼生のメタケルカリア(メタセルカリア)となります。

 

終宿主(シュウシュクシュ)の魚食系の鷺や鵜などの鳥類、犬、猫、鼠などが第2中間宿主の魚を食べる事により、メタケルカリア幼生はその体内に入ります。

ヒトも終宿主の一つです。

メタケルカリア幼生は終宿主の身体に侵入後約1週間で成虫となります。

成虫は終宿主の体内でその糞便に産卵し、虫卵はミラキジウム幼生として孵化寸前の状態で、糞便と共に体外されて外界で再びその寄生サイクルを始めます。

 

横川吸虫症

鮎

では次に、横川吸虫に感染してしまった場合のお話をします。

 

症状

人の身体に侵入した吸虫幼生や成体の体内組織内への侵入性はなく、小腸微繊毛の表面に密着するだけの寄生形態の為に、寄生数が少ない場合には軽度の下痢程度の症状で、発症の症状を自覚しない事も多々あります。

感染数が数百個以上と多い時には、腹部膨満感や腹痛を伴う下痢など消化器症状を発症する事もありますが、ほとんどは重症化はしません。

しかし、ごく稀に大量感染では脱水症状を起こすほど症状が重くなり、さらには慢性カタル性腸炎や蛋白漏出性胃腸症の原因となる場合もあると言われています。

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感染の原因

主な原因は、第2中間宿主である鮎や白魚を加熱することなく生のまま食べる事で、生きたメタケルカリア幼生を体内に入れてしまう為です。

従って刺身など生魚の食習慣のある日本では感染例がよく見られ、特にシロウオの踊り食いや白魚の握りずし、鮎の刺身である背越しなどが伝統料理となっていて食される事の多い、東海から西日本での感染が多くなっています。

また調理する際に使用したまな板や包丁、フキンなどから他の食品を通じて感染する場合もあります。

 

予防

生食は避けて加熱処理するか、マイナス3℃以下で3日間冷凍保存する事が推奨されます。

鮎・白魚の生食は各地の伝統料理となっており、少量では発症しないか自覚症状がないので、生食に関しては規制は緩やかであまり真剣に感染予防措置が取られてはいません。

しかし寄生虫感染の症例数は、第1位のアニサキスに次いで第2位が横川吸虫となっており十分な注意は必要です。

 

全国66河川の鮎を対象にした調査では55河川の鮎に寄生が見られ、西日本及び南日本では約半数の川に棲む天然鮎で、メタケルカリア幼生の寄生率はほぼ100%というデータが残っています(1965年)。

また個体別の感染状況もまちまちで、メタケルカリア幼生の平均感染数は380程度ですが、1万を超える個体も発見されています。

白魚に関しても本州産の白魚の寄生率が30~80%となっています(1973年)。

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検査・診断・治療

横川吸虫症の検査は糞便中の虫卵を顕微鏡で確認します。

しかし、その他の異形吸虫や有害異形吸虫の虫卵との区別が難しいので、正確な判定は成虫の検出発見が必要です。

ただしどの吸虫に対しても治療方法は同じなので、特に必要が無ければ虫卵の確認までで事足ります。

 

治療にはプラジカンテルという内服薬を使います。

駆除率は1回投与で88%、2回投与で100%というデータが出ており、副作用も報告されていません。

成虫排出を即すために駆除薬服用後に下剤を併用する事もあります。

 

まとめ

横川吸虫は、鮎や白魚を生のまま食べる事が主な感染の原因です。

寄生虫が自分の身体の中でモゾモゾと蠢いている事を想像すると何とも気色悪いものですが、例え感染したとしても多くは何ともなく過ぎる様だし、治療法も完成されているから安心です。

生の鮎や白魚を使った伝統料理はこの程度の事を凌ぐ魅力がありますが、度を越さない様に注意はしましょう。

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