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ラッセルクサリヘビの生態や毒性について。インド四大毒蛇!

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自然界の中で「毒」を持つ生き物はたくさんいます。

クモや蜂などの昆虫類からフグなどの魚類、他にも毒性を持った植物なども多くありますね。

そして爬虫類の代表格としては、蛇が多く知られているところですが、インドでは四大毒蛇として恐れられている毒蛇たちがいるのです。

カーペットバイパー、インドコブラ、アマガサヘビ、中でも強い毒性で知られているのが、ラッセルクサリヘビなんです。

今回は、ラッセルクサリヘビの生態や毒性についてご紹介させていただきます。

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ラッセルクサリヘビとは?

ラッセルクサリヘビ

出典:wikipedia

ラッセルクサリヘビは、その名の通り、クサリヘビ科の仲間です。

日本のハブやマムシなどに近い種類と言えばわかりやすいでしょうか。

 

インド、インドネシア、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、中国南部、パキスタン、ベトナム、東限は台湾までと広く生息しています。

広い範囲で生息しているラッセルクサリヘビですが、その生息密度にはかなり差があるとされています。

ミャンマー以外の東南アジア(ベトナム、インドネシア、タイ)、中国及び台湾では生息数も少ないため被害もあまりありません。

一方、パキスタン、インド、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマーでは、生息密度が高いため、毎年大きな被害が報告されているのです。

 

全長は、平均120cm程とされていますが、最大で170cm近くもの個体が記録されています。

体色は褐色から黄褐色、胴体には暗色の鎖状の斑紋があります。

この鎖状の斑紋が、ラッセルクサリヘビの名前の由来になっているようです。

頭部は三角形で、尾が短いのが特徴です。

 

ネズミなど小型哺乳類や、小型の鳥類などをエサとして食べます。

卵を胎内で孵化させてから子供を産む卵胎生で、1回に20~60頭の幼蛇を産みます。

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人との関わりが多い?毒被害が絶えない理由

ラッセルクサリヘビは、比較的開けた土地、中でも草原地帯を好んで生息しています。

エサのネズミを追って、人家近くや農地にも入り込む場合もあります。

こういったことからも、人との関わりも多いため咬まれる被害が後を絶たないのです。

 

基本的には夜行性ですが、涼しい場合は日中でも活動しています。

 

2種類の毒「神経毒」と「出血毒」

ラッセルクサリヘビ

出典:wikipedia

ラッセルクサリヘビの毒性について話す前に、まずは蛇の毒についてちょっとご説明します。

蛇の毒は主に「神経毒」と「出血毒」の2種類に分けられます。

 

・神経毒

神経毒は、その名の通り神経を侵す毒です。

毒の周りが速く、身体のしびれや麻痺、呼吸困難を起こし手遅れになることも多い毒です。

助かった場合でも、神経に障害を残すこともあるとされています。

 

・出血毒

一方の出血毒は、タンパク質を分解して細胞を破壊する毒です。

これが血が固まるのに必要な仕組みを乱す上に、血球や周囲の細胞を傷つけるため、出血したり組織が壊死したりするのです。

神経毒に比べると毒の周りは遅いため、致死率は高くはないとされていますが、細胞が壊死するため、手足を切断しなければならない場合もある恐ろしい毒なのです。

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ラッセルクサリヘビはハイブリッドな毒蛇

毒蛇は、一般的にはコブラ科の蛇は神経毒を持ち、ハブやマムシのようなクサリヘビ科の蛇は出血毒を持つとされています。

恐ろしいことに人間を殺せるレベルの蛇には、この神経毒と出血毒の両方を持った毒蛇がいて、ラッセルクサリヘビもこのタイプの毒蛇なのです。

2種類の毒を合わせ持つなんて、ハイブリッドな毒蛇ですよね。

 

咬まれた場合の対処が非常に難しい

このハイブリッド毒の恐ろしさは、咬まれた場合の対処の難しさにあります。

 

神経毒は神経細胞に作用し、特に中髄神経を侵されると呼吸停止に及ぶ場合もあるため、全身に毒が回らないようにしなければなりません。

そのため手足を咬まれた場合には、心臓に近い側を縛り、毒が回らないようにするなどの対処を行います。

 

反対に出血毒の場合は、咬まれた場所から組織を破壊していくので、神経毒のように縛ってしまうと、体に毒が回らない分、傷口周辺に毒が滞留してしまいます。

そして結果的には、その部分の組織が壊死してしまい、手足の切断に等になりかねないので、あえて全身に毒を回して毒を薄めるのがセオリーとしているのです。

 

しかし、この神経毒と出血毒を併せ持つハイブリッド毒のラッセルクサリヘビは、縛れば縛った先の手足が壊死を起こし、かと言って全身に毒を回せば、それこそ神経毒があらゆる神経を侵すことになりかねません。

そのため対処が非常に難しい毒なんです。

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咬まれた時の症状

ラッセルクサリヘビの毒は、咬まれた場合の死亡率自体はさほど高くはないようですが、それでも助からない場合も多々あるとされています。

運よく助かった場合でも、結果として手足の切断に至ったり、組織が破壊されたことによって、後遺症が残る可能性も高いとされています。

 

咬まれてしまった場合の具体的な症状としては、咬まれた周囲に激痛と腫れが起こり、その痛みが徐々に全身へと広がっていきます。

そして皮下や内臓、古傷等からの出血腎機能障害吐き気血便血尿等の障害に加えて、血管にもダメージを受けるために、急激な低血圧等を起こす場合もあります。

なんでも、グラスに入った血液にラッセルクサリヘビの毒を1滴垂らすだけで、血液がまるでゼリーのように固まってしまうそうです。

そんなものを体内に注入されたらと思うと恐ろしいですね・・・。

 

日本にいるヘビ

ラッセルクサリヘビは日本には存在しないので、国内でこの毒蛇の被害に遭うことはありません。

しかし、毒蛇の毒には種類があるため、その毒によっての対処方法の違いを覚えておくのも、もしもの時には大いに役立ちますよね。

 

日本の陸地に生息する蛇の種類は36種、その中でも俗に本土と呼ばれる北海道、本州、四国、九州に生息する蛇は8種のみとされています。

・アオダイショウ、シマヘビ、ジムグリ、ヤマカガシ、ヒバカリ、シロマダラ、マムシ、タカチホヘビ

この8種の蛇の特徴を覚えておくだけでも、アウトドアフィールドで突然蛇に出会っても慌てなくてすみますね。

ちなみに、本土にいる毒蛇はヤマカガシとマムシの2種類になります。

沖縄には、有名なハブがいますけどね。

 

万が一、蛇に咬まれてしまった場合には、すぐに医療機関を受診することが大切です。

その際に、毒蛇の種類を医師に伝えますが、蛇の種類がわからず判断できない場合には、蛇の特徴を覚えておくだけでも、適切な治療を迅速に受けることに繋がります。

 

まとめ

ラッセルクサリヘビは、インド四大毒蛇の1つとして恐れられている毒蛇です。

その毒性の恐ろしさは、神経毒と出血毒を併せ持つ性質で咬まれた際の対処が非常に難しいところにあります。

人と接する機会も多いため、咬まれる被害が後を絶たない危険な毒蛇なのです。

 

生き物たちが毒を保有するのは、エサを捕食するため、または敵から自身の身を守るためという、生命を維持するための大切な役割があります。

厳しい自然界の中で生きていくために身に付けた大きな武器でもあるのです。

恐ろしい毒ですが、人間には真似することができない生きる術でもあるんですね。

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