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最強ラーテル(ミツアナグマ)の天敵は?その生態について!

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ラーテルという動物を知っていますか?

和名ではミツアナグマといい、日本では愛知県名古屋市にある「東山動物園」という所のみで飼育されているので、あまり知られていない動物かも知れません。

このラーテル、イタチ目に属する体の小ささなのに最強とも呼ばれ、あの百獣の王のライオンにも勝つとも言われているのです。

今回は、ラーテル(ミツアナグマ)の生態や天敵、人間との関係性についてご紹介します。

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ラーテルの生態

ラーテル

ラーテル 出典:flickr

ラーテルは、ネコ目イタチ科ラーテル亜科ラーテル属の哺乳類です。

イタチ科というだけで、あまり大きいサイズの生き物ではない事がわかって頂けると思います。

全長は80cm~110cm、体重は最大でも15kg程度です。

猫とイタチが合わさったような、小さなナマケモノのような見た目をしています。

 

主に生息しているのは、アジア大陸とアフリカ大陸の熱帯と温帯地域です。

群れは作らず単独かつがいで行動し、サバンナや乾燥した草原や砂漠、森林に生息しています。

 

雑食のラーテルですが、好物はハチミツです。

そのせいで、日本では漢字表記で「ミツアナグマ(蜜穴熊)」とされていて、アフリカ、アメリカ、中国でも自国では「蜜、Honey」という単語が入った言葉で表されています。

雑食性なので、好物のハチミツ以外にも、果物や虫、爬虫類、小型の哺乳類まで、目に入った物は全て食べます。

 

頭部から背中にかけては、硬い上に伸縮性の高い皮膚で覆われていて、ライオンの牙からでも身を守ることができると言われています。

また、穴を掘ったり、木を登ることができる大きく発達した鉤爪を持っています。

スカンクのように尻に臭腺を持ち、危険が近づくと強烈な臭いのする液体を発射します。

 

野生での寿命は20年ほどと言われています。

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「世界一怖い物知らずの動物」としてギネスブック認定!

ラーテルはギネスブックで「世界一怖い物知らずの動物」と登録されています。

その理由を考えてみましょう。

 

1、ライオンやスイギュウにも向かっていく負けん気の強さ

ラーテルは、自分よりも体の大きい動物にも平気で向かっていきます。

ライオンやスイギュウだけではなく、もちろん人間にも平気で立ち向かってきます。

自分が進もうとしている先にどんな動物が何匹いようとも、避けることなく進んでいくのです。

ラーテルには「逃げる」という選択肢はないようです。

 

また、普通の動物は、捕食するためや子供を守るために戦いを挑むのですが、ラーテルはそんな状況でもないのにガンガン戦いを仕掛ける特異な動物なのです。

 

2、猛獣にも負けない能力

ラーテルは、ライオンの群れでも平気で向かっていき単独で戦うことがあります。

ラーテルがライオンに向かって戦ってる動画がこちら↓

前述したようにラーテルの背中の皮膚の防御力はかなりのもので、ライオンの獰猛な爪や牙でも、ラーテルの頑丈な皮膚には勝てません。

いくら攻撃をしても弱らない上に、ラーテルの鋭い鉤爪と、尻から放出される匂いの強い液体で、次第にライオンも戦意を消失して去って行くそうです。

 

また、ラーテルは猛毒を持つコブラを捕食することもあります。

毒に対する耐性が非常に強いので、コブラに噛まれたとしても、一時的に動けなくなった後に復活するのです。

 

 

ちなみに、その強い戦闘能力にあやかって、ラーテルの名前を引用した銃や戦闘車まで作られているそうです。

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ラーテルとミツオシエ科の鳥の関係

ラーテルの好物はハチミツですが、普段地上で生活をしているラーテルは木の上にあるハチミツの在り処はわかりません。

どのようにしてラーテルがハチミツがある場所を知っているかと言うと、ラーテルの共生動物とされている「ミツオシエ科の鳥」の存在が関わってきます。

 

ミツオシエは、蜂の巣を見つけると、鳴き声を上げながらラーテルの周りを飛び回ります。

そして蜂の巣がある場所までラーテルを案内します。

ラーテルは蜂の巣の場所さえわかれば、鋭い鉤爪を使って木に登り、蜂の巣を壊してハチミツを食べます。

 

その際に、ミツオシエは、蜂の巣の場所を教えた見返りとして、ハチミツのおこぼれを頂きます。

協力関係を築いているように見えるラーテルとミツオシエですが、ラーテルがミツオシエを食べてしまうこともあるそうです。

ミツオシエも案外命がけで自分が囮となり、ラーテルを利用しているのかもしれませんね。

 

ラーテルの天敵は?

ラーテル

出典:flickr

そんなに強いラーテルに天敵がいるのか?

あえて天敵を挙げるとすれば、

・ライオン、ハイエナ、ヒョウ、人間

と言われています。

 

しかし、天敵とは言われても、ライオン、ハイエナ、ヒョウの肉食獣は滅多なことではラーテルを襲いません。

防御力も高く気性も荒いうえに、肉も少ないため自分がケガをしたら割に合わない相手だからでしょう。

 

最強無敵と言われるラーテルですが、年々生息数は減少傾向にあるのだそうです。

それは、家畜を襲うため人間に駆除されたことと、環境破壊により生息地が減少したこと、が原因だそうです。

やはり、一番の天敵は人間ということになりますね。

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ラーテルの弱点

ラーテルにも弱点があります。

それは、お腹と顔です。

実は、ラーテルは背中に比べ、腹部と顔の毛や皮膚が薄いので、その分攻撃に弱いのです。

 

そのため、ライオンやハイエナからの上や背中からの攻撃には強いですが、ひっくり返されてお腹から噛まれるようなことがあれば致命傷になる場合があります。

 

また、ハチミツが大好物のラーテルは、蜂の巣を直接攻撃してハチミツを手に入れます。

その際に、非常に大量の蜂に顔を刺された場合はショック死することもあるそうです。

 

しかし、どちらにしても稀にしか起こらず、よくあることではないのでラーテルが「地上最強の生き物」と言われるのも納得できます。

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ラーテルは危険?人間との関係性

ここまで書いたように、ラーテルは非常に気か荒いので、ラーテルの邪魔をするようなことがあれば人間にだって襲い掛かってくるでしょう。

しかし、捕食するために人間を襲うことはないようです。

 

以前イラクでは、大きく成長したラーテルが牛を襲ったという出来事があり、大きく話題になりました。

当初、ラーテルの仕業とは思われていなかったので地元では「駐留英軍が送り込んだ科学兵器の一種」「人間も襲われた」として、パニックになりました。

これは、人間に攻撃されたラーテルが、夜間に寝ている人間を襲っていたようです。

通常ならラーテルが進んで人間を襲いはしませんが、エサを取られたり、家畜を守るためにラーテルに攻撃した人間がいると、ラーテルは攻撃された何倍もの仕返しをするようです。

 

もしも、ラーテルに遭遇するような事があっても、人間は逃げた方が良さそうですね。

 

ちなみに、NHKの子供向け番組の主人公で、ラーテルをモデルとした「無敵のムテ吉」といキャラクターがいました。

日本ではマイナーなはずのラーテルに目を付け主人公にするとは、製作者のセンスを感じましたね。

 

まとめ

ラーテル(和名:ミツアナグマ)は、自分よりも大きな肉食獣にも向かって行く気性の荒さと、ライオンの攻撃も通さない分厚い皮膚を持った動物です。

ギネスブックでは「世界一怖い物知らずの動物」と認定されているほどです。

 

日本には生息していないため、あまり馴染みのないラーテルですが、とても特徴的な動物だとわかっていただけたでしょうか。

世界的にもその生体は注目されているので、インターネット上ではラーテルが他の動物と戦う動画も多数公開されています。

興味を持った人は是非調べて見て下さいね。

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