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象(ゾウ)の生態と危険性、止まらない密猟と保護について

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動物園でも人気者でおなじみの象。

私たちが象に持つイメージと言えば、気は優しくて力持ちといった感じではないでしょうか?

日本には野生の象はいないため、その生態や危険性について私たちはあまり知りません。

その一方、人間によって多くの象が殺され、その生息数は激減しているという現実もあります。

今回は陸生哺乳類最大級の、象の生態や危険性、象の密猟についてご紹介させていただきます。

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象の種類

象(ゾウ)

象は、過去に絶滅したマンモスなどを除くと、現存するのは

・アフリカゾウ

・アジアゾウ

・マルミミゾウ

の3種類と言われています。

この中で一番大きいのは、アフリカゾウです。

 

マルミミゾウはアフリカゾウの1種とされてきましたが、近年DNA解析が進みアフリカゾウとマルミミゾウは別の種類という説が認められてきています。

マルミミゾウ、アジアゾウ、アフリカゾウの順番で温厚な性格とされていて、家畜や曲芸用にはマルミミゾウが1番向いているとされています。

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象の生態

ここでは、象の中でも1番大きく成長するアフリカゾウの生態について紹介します。

アフリカゾウは全長が最大で7.5m、体重は7.5t 、体高は4m近くまで成長します。

体は大きいですが、時速40kmで走ることもできます。

 

装飾品や印鑑の材料として有名な象牙である牙は、オスで最大3.5mにもなります。

視力は弱く色覚もありませんが、聴覚と嗅覚は非常に優れています。

犬の2倍、人の5倍以上の種類の臭いを嗅ぎ分けることができます。

 

人間には聞こえない低周波音で会話をしていると言われていて、耳だけではなく、足の裏でも低周波をとらえ、音の振動を感じて違いを認識しています。

鼻を使って絵や文字を書いたり、人間の違いを見分けるなど、知能は非常に高く、言語の違いも聞き分けられるとされています。

鳴き声は最大約112dBもの音圧を持ち、最大10km先にまで、聞こえることができます。

寿命は70歳程度まで生き、大体20歳で成獣になります。

 

雌は幼獣と一緒に群れを作り、雄は単体か雄同士で群れを作ることが多いです。

ゾウの幼獣がトラやライオンに襲われることはありますが、成獣が他の動物に襲われることはありません。

そのため常にゾウの群れは、成獣が幼獣を囲むように移動します。

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象の鼻の秘密

ゾウの鼻は大体2m程度まで、成長します。

鼻は10万以上の筋肉でできていて、ピーナッツ1粒や、豆腐などやわらかい物から、1tもの重さまで掴むことができます。

水なら1度に10L近くまで吸い上げることができます。

ソウの鼻に生えている毛は、神経と繋がっているため、人間の手先の10倍以上敏感です。

 

元々6000年ほど前にいたゾウの祖先は、今のように鼻は長くなく、体も小さかったようです。

しかし環境が変わることに伴い、ゾウの体はどんどん巨大化していきました。

 

大きな体の口元まで食べ物を近づけて食事を取っていると、食事のたびに無駄なエネルギーを消費してしまいます。

鼻で掴んで口に含んだ方が無駄なエネルギーを消費せずにすむため、自然と鼻の長い固体が生き残りました。

 

そして長い年月をかけて、今のような鼻の長いゾウへと成長したようです。

 

象の食事

ゾウは体は大きいですが草食性の動物です。

木の枝、草、木の実、果物を食べます。

動物園では乾燥した牧草や、りんごや人参、サツマイモ、草食動物用のペレットを与えますが、好物はりんごなどの甘い果実のようです。

まれにミネラルをとるために、泥や岩塩を食べることがあります。動物園では食事と一緒にビタミン剤も与えています。

 

1日の大半の時間を食事に費やし、大人のゾウは1日300kgもの食事と100L以上もの水を飲みます。

その食事量から、森林伐採などで、木々が不足した地域では、ゾウの食欲に耐え切れず、草木が完全に枯れてしまう地域もあります。

また、1日に120kgもの糞をします。動物園の飼育下では1日で250kgもの糞をした記録もあります。

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象の危険性

象は頭もよく、比較的穏やかな性質なうえ草食なので、自ら人間を襲うことはありません。

しかし、それは動物園の象しか知らない私たちのイメージであり、アフリカなどの現地では象は非常に危険な動物であると認識されています。

世界では、象によって年間500人以上が亡くなっていると言われています。

 

象の危険性の一つとして、象は怒らせるととても怖い動物という一面があります。

インドでは、仲間を殺された象達が、数週間後にゾウを殺した人間を群れで襲い殺害したという事件も起きています。

また、ある村人が子供の象を殺したところ、この村にゾウの群れが襲撃をかけ13人が死亡したという事件もありました。

象は、仲間思いであり、記憶力もよく、とても執念深い動物だと言えます。

 

また、成獣の雄はマストとと言う、凶暴になる時期があります。

このマストというのは、いわゆる発情期で数週間から2か月ほど続きます。

マストの時の雄は、こめかみからタール状の分泌物を出し、おしっこを継続的に垂れ流し、目がギラギラして非常に攻撃的になります。

マストの時期になると、飼育員でも襲われるので、動物園でもゾウを檻の中で鎖で繋ぎます。

象が暴れている動画がこちら↓

象牙目的の密猟、象の保護について

自然界にはゾウの天敵はいませんが、唯一人間が、象牙目的にアフリカゾウの乱獲を繰り返してきました。

しかもゾウは繁殖能力が低いため、1970年頃から個体数が激減し続けています。

1970年頃には、100万頭いたアフリカゾウは現在35万頭まで減少したと言われています。

象牙目的の密猟

出典:wikipedia

象牙の取引は国際条約で禁止されていますが、違法な闇ルートでの取引や、政治家がワイロをもらって取引を黙認しているという状況が続いています。

今なお象牙は、中国やタイへの需要と取引価格が高まっており、大きな象牙は1本100万円以上の価値があるそうです。

そのため、ギャングやテロリストグループが資金調達目的の為、アフリカゾウを密猟し続けています。

 

現在では、アフリカゾウの保護の重要性が提唱され、各国で国立公園やが設けられ、アフリカゾウは保護の対象となっています。

保護区域では、パークレンジャー(保護官)が密猟者から野生動物を守るために、時には命をかけて活動しています。

しかし、パークレンジャーだけでは対応しきれない現状があり、今なおアフリカゾウの密猟が後を絶たず、アフリカゾウの減少は止まりません。

まとめ

かわいく温厚なイメージのある象ですが、知能が高く執念深いため怒らせると、とても怖い動物でもあります

マストという繁殖期には凶暴になることを、初めて知った方も多いのではないでしょうか。

 

アフリカでは、象牙目的の大規模な密猟が続いており、アフリカゾウの生息数は激減しています。

象にとっては、人間ほど危険な動物もいないでしょう。

象がこれからの時代も生き続けられるように、人間と象が共存していけるような環境作りができればと思います。

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