夏になるときれいな海に行ってレジャーを楽しみたいですよね。
しかし、海に付き物なのが危険性物。
クラゲなどの毒を持つ生物も怖いですが、何といっても心配なのがサメ。
海には人食いサメも多く生息しているため、もし襲われたらと想像したらものすごい恐怖ですよね・・・。
安全区域で泳いでいる分には問題ないですが、ダイビングやサーフィンなど、少し離れたところでやるレジャーの場合は危険が伴います。
人を襲うサメにも何種類かありますが、外洋に棲むヨゴレというサメがいます。
今回は、ヨゴレの生態と危険性についてみていきましょう。
ヨゴレの生態
まず、ヨゴレの生態についてみていきましょう。
ヨゴレザメは、メジロザメ目メジロザメ科に属するサメで、漢字で汚鮫と書きます。
なぜこのような名前になったかと言うと、各ヒレの先端が白く汚れているように見えるためと言われています。
体長はほとんどの個体が3m以下で、サメの中ではそれほど大きくはありません。
体重も170kg程度です。
体色は背面は灰色、腹面は白色で体は流線型をしています。
胸ビレや背ビレが非常に大きく、そのヒレの先端は丸まっていて先ほども述べた白斑があります。
見た目は一般的なサメですが、胸ビレと背ビレが大きいこと、ヒレの先端が白い点で他のサメと見分けることができます。
ヨゴレは熱帯、亜熱帯地域の海域に広範囲に生息しており、日本でも沖縄海域でその存在が確認されています。
ただ、外洋性であるため、沿岸部で見かけることはほとんどありません。
水深150mまでの海洋面をゆっくりと泳いでおり、基本的には単独で生活しますがコバンザメなどがくっつくこともあります。
肉食性で硬骨魚類やウミガメ、海鳥、甲殻類などさまざまなものを捕食し、昼夜どちらでも活動しています。
また、好奇心旺盛な性格であるため、時には人間に襲いかかることもあるのです。
繁殖形態と絶滅の恐れ
さて、ヨゴレの繁殖形態についてですが、サメは卵生や卵胎生のものが多いですが、ヨゴレは私たち哺乳類と同じで胎盤を形成する胎生です。
10~12カ月の妊娠期間を経て子ザメを出産します。
ヨゴレはかつて、フカヒレ漁として盛んに漁獲されていました。
乱獲され続けてきた結果徐々にその数は減少し、今ではIUCN(国際自然保護連合)で絶滅の恐れがある生物として分類されています。
個体数の増加率が低いことも原因として考えられるようです。
個体数の減少を受けて、現在は漁獲に制限が設けられています。
人食いザメとはいえ、絶滅すると食物連鎖にも大きな影響を及ぼすので、大きな問題と考えてよいでしょう。
ヨゴレによる事故
ヨゴレは外洋に生息しているため、海水浴などで沿岸にいる分には遭遇することはほぼありません。
ヨゴレに襲われる可能性があるのは、客船や漁船などに乗っていて沖で転覆などした場合です。
ヨゴレは食べられそうなものを見つけた場合はなんでも捕食する習性があり、人間を見つけた場合も襲うことがあります。
ホホジロザメやイタチザメなど人食いで有名なサメは他にもいますが、研究者の中にはヨゴレが一番危険と考えている人もいます。
実際、過去にヨゴレに襲われた事故の記録が残っています。
・1942年に起きたイギリスの客船ノバスコシアの沈没事故や、1945年に起きた米国海軍の重巡洋艦インディアナポリスの沈没事故では、海に投げ出された多くの乗員がヨゴレの餌食になった
と言われています。
またヨゴレの場合、ほとんどが外洋における事故ですが、
・2010年には、エジプトのリゾート地シャルム・エル・シェイクで海水浴客がヨゴレに襲われた
という沿岸部での事故も起きているようです。
ヨゴレでなくても沿岸には沿岸に生息するサメがいるので、海に入る限りサメに襲われる危険性がつきまとうということですね。
もしサメに遭遇したら?
もし万が一サメに遭遇したら、どのように対処すればよいのでしょう。
ヨゴレの場合、船の転覆などやむを得ない状況で遭遇することが多いでしょう。
海に投げ出されること自体でパニックに陥ってしまうかもしれませんが、海中でヨゴレを見かけてもとにかく慌てないことです。
サメは水しぶきなどに敏感に反応するため、落ち着いて静かに様子を伺う方が良いでしょう。
間違っても挑発などしてはいけません。
もし何もしなくてもヨゴレが襲ってきた場合には、ヨゴレの目や鼻、エラなどの急所を攻撃してください。
カメラなど硬いものをを持っていたら攻撃するのに役立つでしょう。
攻撃をしてヨゴレがひるんだ隙に逃げだせれば良いですが、ヨゴレは集団で襲うこともあるようです。
もし複数のヨゴレに襲われた場合、急所攻撃で難を逃れることができるかは分かりませんね・・・。
サメは凶暴?
現在世界で確認されているサメは500種類以上と言われています。
その中で日本近海に棲むサメは130種類。非常に多いですね。
大人しいものから凶暴なものまでさまざまですが、人食いザメと言われるサメはほんの一握り、6種類程度です。
本来サメは臆病な性格で人を捕食の対象としていないため、海で人と出会った場合逃げてしまうことが多いです。
サメと出会ったときに冷静な対応をとれば襲われることは少ないでしょう。
現にダイバーの中ではサメを恐れる人は少ないようです。
ではなぜ襲われるのか。
はっきりとした理由は分かっていませんが、獰猛な性格だったり好奇心旺盛なサメの場合、興味本位で噛みついてきたり餌であるアザラシと間違って襲うことがあるようです。
いずれにしても、海に入る限りサメに襲われる危険性があることを忘れないようにしましょう。
まとめ
ヨゴレとは、世界中の温かい海に生息するサメで、日本では沖縄近海にも生息しています。
貪欲でなんでも食べるため、人間にとっても危険な種類のサメです。
ヨゴレは外洋に生息しているため、海水浴などでは遭遇することはほぼないでしょう。
遭遇する可能性があるのは、客船や漁船などが沖で転覆した場合ですね。
もし、ヨゴレに遭遇した場合は落ち着いて様子を見て、襲われた時は目や鼻、エラなどの急所を攻撃しましょう。