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タイワンリスの生態や被害状況、駆除対策について 

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小さく愛くるしいリス。

動物園ではちょこちょこと走り回る姿がかわいらしいと人気を集めていることでしょう。

しかし近年、外来種であるタイワンリスが日本各地で繁殖し続け、その結果さまざまな被害を及ぼしています。

被害に遭っている地域の方々にとっては、もはやかわいらしいといった感情は出てこないと思います。

 

現在、日本では特定外来生物に指定されているタイワンリス。

今回は、このタイワンリスの生態や被害状況、駆除対策などについてご説明します。

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タイワンリスとは

タイワンリス

出典:flickr

タイワンリスとは、台湾が原産の齧歯目リス科のリスの一種です。

中国からマレー半島、インド東部にかけて広く分布するクリハラリスの亜種で、台湾固有の亜種と言われています。

 

日本においては、2005年に特定外来生物に指定されました。

 

体の特徴

体長は20~22cm程度、尾長は17~20cm、体重は300~400g程度と、日本の在来種であるニホンリスと比べると一回り大きいです。

全身が短い毛で覆われており、毛色は腹面は赤褐色や灰褐色、背面は灰褐色に黒色や黄土色が混じっています。

クリハラリスとは腹部が赤褐色(栗色)であることから名づけられたのですが、日本にやってきてからは腹部も灰褐色である個体が増えたようです。

タイワンリス    ニホンリス

      タイワンリス             ニホンリス  出典:flickr 

目は大きく視力に優れ、ニホンリスと比べると四肢が短く耳は短く丸いのが特徴です。

一見ニホンリスとも似ていますが、腹面の色が違う(ニホンリスは白色)ことから見分けることができます。

 

生態

それでは、タイワンリスの生態などについてみていきましょう。

 

タイワンリスは昼行性で、基本的には単独で行動しますが、幼体のうちは群れることもあります。

常緑広葉樹林に生息し樹上生活を送っていますが、造営林や市街地の緑地、耕作地や公園などにも見られます。

樹上での動きは早く跳躍力にも優れているため、木の枝から枝へ1m近く飛ぶことができます。

木の枝の上に小枝や葉を集めて丸い巣を作って生活します。

 

食性は雑食性で、樹木の種子や果実、花、葉、芽、樹皮といった植物性のえさを中心として昆虫やカタツムリ、その他小動物、鳥の卵などを捕食します。

活発に鳴くことでも知られ、天敵が近づいてきた際には“ワンワン”“カッカッ”といった警戒音を出して仲間に危険を知らせます。

 

繁殖期が決まっておらず、年に1~2回、メスは約40日間の妊娠期間を経て平均2仔を出産します。

なお、野生下での平均寿命は4~5年と言われています。

 

因みに、タイワンリスの天敵はワシなどの猛禽類やヘビ類です。

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生息地

日本において、タイワンリスは、

・東京都伊豆大島、神奈川県、静岡県、岐阜県、大阪県、和歌山県、兵庫県、長崎県、熊本県

など各地で生息が確認されています。

 

タイワンリスが野生化した原因は、観光用として飼育していた個体が放たれたり逃げ出したことによります。

もともと戦前から飼育されていたのですが、1935年に伊豆大島の公園から逃げ出したことから始まり、各地で同じような原因によって野生化し繁殖していったのです。

伊豆大島ではもはや島全体に生息しており、日本で一番個体数が多いと言われています。

神奈川県鎌倉や江ノ島といった観光名所でも多く見られ、観光客からはかわいいと喜ばれているようです。

 

なぜこんなにも繁殖してしまったのかというと、気候条件が合うこと、えさが豊富であること、また天敵である猛禽類やヘビ類が少ないことなどが原因として挙げられます。

タイワンリスの個体数が増えるにつれて農作物などの被害が増え、生態系にも影響を及ぼす恐れがあるとして、2005年、特定外来生物に指定されました。

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タイワンリスの被害

では、タイワンリスの被害についてみていきましょう。

 

まずは、生態系への影響です。

タイワンリスが増えると在来種であるニホンリスと生息域が競合し、ニホンリスの生態が脅かされる危険性があります。

ニホンリスと交雑してしまうことも懸念されています。

また、メジロやコゲラ、シジュウカラといった野鳥の卵を食べてしまうことで野鳥の個体数にも影響が出ています。

動物だけではなく、木も食害されたり巣材として樹皮をはがされたりし、いたるところで立ち枯れが起きています。

立ち枯れが原因で日照条件や風向きの変化、表土の乾燥化といった生態系の変化が心配されています。

タイワンリス

次に、農作物の被害です。

個体数の多い伊豆大島では、島特産であるツバキ油の原料であるツバキの実を食べてしまうことが問題となっています。

その他の地域でも、ミカンやブドウなどの果実の食害および樹皮剥ぎによる枯れ死、ダイコンやトマトといった野菜の食害が多発し、長崎県ではスギやヒノキの苗木への食害が深刻化しているようです。

農家だけでなく家庭菜園も襲われるため、被害数は報告されている以上に多いでしょう。

 

そして、我々の生活環境にも被害を及ぼしています。

タイワンリスが多く生息する地域では、

・電線や電話線かじられて停電、電話が不通になった、雨戸や戸袋が齧られ住みついたりした、店の商品を食べられた、洗濯物を汚された

といった被害が出ています。

 

あまりに多くの被害が出ているため、各地で個体数を減らすべく捕獲・駆除対策が取られています。

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タイワンリスの捕獲・駆除対策

タイワンリスを捕獲・駆除する方法は次の通りです。

 

鎌倉市では、市民に捕獲の許可を出すとともにねずみ捕り器などの捕獲器の貸出を行うなど積極的に捕獲を推進しているため、年間500匹以上捕獲することができているようです。

 

熊本県宇土半島では、捕獲推進月間を定めて市民や農家等に情報提供しながら集中的に捕獲活動を行っています。

 

個体数が多いとされる伊豆大島では、箱罠による捕獲や猟友会による駆除を行っています。

はこなわは役場から農家に提供し、捕獲した個体は役場に提出すると報奨金が支払われるようです。

これにより、年間1万匹近いタイワンリスを捕獲・駆除できているようです。

その他の地域でも、市町村が住民等に箱縄を提供し、報奨金制度を用いているところが多いようです。

 

また、農作物を守るためには、

・タイワンリスの嫌がる木酢液などの忌避液を農地周りにふりかける、防護ネットで果実を守る、農作物を屋外に放置しない

といった対策も推進しています。

 

電話線や洗濯物の被害は防ぎようがないですが、家屋に入り込まないためには隙間をなくすなどの対策をすると良いでしょう。

 

まとめ

タイワンリスとは、台湾が原産のリスの一種です。

生態系への影響、農作物への被害、我々の生活環境への被害といった理由から特定外来生物に指定され各地で捕獲・駆除対策が取られています。

 

さまざまな対策をとることにより捕獲・駆除は順調に行われているようですが、タイワンリスの繁殖力も強いため、なかなか個体数を減少させるまでにはいかないようです。

タイワンリスは小さく動きも早いため、はこなわ以外の捕獲が難しいかもしれません。

また、タイワンリスの個体数を減らすためには、地域全体で協力し合っていくことがなにより大事です。

だれか一人でも餌付けしてしまっては意味がないのです。

市町村とうまく連携しながら地域で捕獲し続けていけば、いずれは明るい兆しが見えてくるかもしれません。

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