動物園で見るとかわいいアライグマ。
某アニメの影響もあり、日本でもペットとして人気になったことがあります。
しかし、そんなアライグマが野生化で繁殖し、人に被害を及ぼす害獣となっているのをご存知でしょうか?
今回は、そんなアライグマの生態や危険性についてご紹介させていただきます。
目次
アライグマの生態
学名 | Procyon lotor |
英名 | Common raccoon |
分類 | ネコ目(食肉目)アライグマ科アライグマ属 |
原産地 | 北アメリカ |
大きさ | 尾を含め、最大体長100cm、重さ20kgほど |
アライグマは、哺乳綱食肉目アライグマ科アライグマ属の動物です。
アライグマは尾を含めると、最大で100cmほど、重さは20kg近くまで成長します。
寿命は野生の場合、20年以上生きることもあります。
泳ぐことや木登りも得意で、運動能力が高く手先も器用な動物です。
他の動物が作った巣穴で暮らしたり、木の穴、農機具小屋や空き家、民家や神社仏閣の天井裏や軒下で生活していることも多いです。
基本的には夜行性ですが、昼間に活動することもあります。
雑食性で、木の実や植物はもちろん、自分より大きな動物に対しても平気で向かっていきます。
イノシシやシカの死骸も食べますし、貝類や魚も食べます。
人の生活域においては、乳牛の乳首を噛み切られる被害や、農産物における被害が多く問題になっています。
また、マヨネーズや唐揚などの油物が特に好物で、街中では生ゴミを漁るアライグマも問題になっています。
アライグマは繁殖能力がとても高くメスは1歳から妊娠します。
2歳以上の妊娠率は、ほぼ100%で、1度の出産で3-6頭の子供を春先に産みます。
もし出産に失敗したり、子供がすべて死んだ場合は、夏~秋にもう1度妊娠、出産します。
今現在日本では、アライグマを「特定外来生物」に指定していて、学術目的以外で、輸入や飼育、譲渡することを禁じています。
アライグマの生息域
アライグマは本来は、アメリカやカナダ、メキシコに生息していました。
その後、世界中に輸出され、動物園から脱走したり、ペット用に飼育していたアライグマを野生に放した結果、西インド、ヨーロッパ、ロシア、日本などに外来種として生息域を拡大しました。
日本でも1961年頃からアライグマが動物園から脱走した記録があります。
そして、2008年には47都道府県で生息を確認されるまで繁殖してるのです。
間違えやすい?タヌキとの違い
アライグマ 出典:wikipedia タヌキ 出典:フォト蔵
アライグマはタヌキに非常に似ています。
アライグマとタヌキを見分ける際は、まず尾に注目しましょう。
長いふさふさとした尾に、黒い横縞が5~8本ほどあるのがアライグマの大きな特徴です。
反対に、タヌキの尾は短く縞模様はありません。
また、アライグマの足は白っぽく、耳にも白い縁取りがありますが、タヌキは両方とも黒いです。
足跡も違い、アライグマはかかとをつけて歩くため、足跡は人の手のように5本の指がくっきりとつきます。
タヌキの足跡は、犬のように手のひらと指先が離れたものになります。
アライグマの天敵
アライグマの天敵としては、オオカミ、ピューマ、オオヤマネコ、ワシミミズク、が挙げられます。
しかし、脅威と言えるほどの天敵でもないため、一番の天敵は人間だと言えるでしょう。
しかも、日本国内においては上記の動物がいないため、人間以外の天敵はいないという事です。
そのため、自然界で、アライグマの繁殖を止めるためには、人間が駆除、捕獲するしか方法はありません。
アライグマが増えることによる問題
アライグマは、元々日本に生息していなかった外来種です。
アライグマが増えることによって、日本に元々いた生物が脅かされています。
中でも深刻なのが、
・アオサギ、フクロウ、オオタカ
の巣をアライグマが奪ったり、
・エゾアカガエル、アズマヒキガエル、ニホンイシガメ、エゾサンショウウオ
などの、両生類・爬虫類に対する捕食です。
中には、絶滅が危惧されている固体もあり、大きな問題になっています。
また、畜産、酪農、水産業においても、被害が報告されています。
家畜が襲われたり、スイカやトウモロコシなどの農作物にも被害が出ています。
さらに、民家や神社仏閣などの建造物に入り込んで、巣を作り、糞尿を垂れ流し、建物に穴を空けることもあり、問題になっています。
ペットの動物を襲って殺したり、まれに人を襲うこともあります。
2011年7月には、兵庫県でアライグマが人間を襲うという事件が連続して起こりました。
アライグマは細菌、寄生虫の温床
アライグマは、
・狂犬病、レプトスピラ症、アライグマ回虫、サルモネア、インフルエンザ、ジステンパー
といった、人畜に対して死の可能性がある細菌、寄生虫を多数もっています。
中でもアライグマ回虫は、アライグマの糞から人間も感染し、脳にダメージを与え、死にも繋がります。
どんなにかわいくても、直接触ってはいけませんし、アライグマがいた場所の土を触ることも避けなければいけません。
日本ではまだ正式に因果関係が認められた症例はありませんが、アメリカではアライグマから感染した病気によって死者もでています。
アライグマの対策方法
あなたの自宅や畑にアライグマが出没し、被害で困った場合は、自治体や駆除捕獲業者に頼むのが最も安心です。
自治体によっては、害獣駆除の専門の科があり、役場に被害を訴えると、無料でオリを設置してくれます。
もしも、自分で対策をしたいのなら、
・畑などに電気柵を作る
・家屋に侵入されないように、隙間などの侵入経路があれば全て塞ぐ
・ハッカや木酢液、オオカミの尿といったアライグマが嫌がる臭いを撒く
などがあります。
自分でオリを設置するには、有害鳥獣の捕獲許可、狩猟免許(網・わな猟)が必要です。
また、もしも偶然捕獲した場合も、特定外来生物であるアライグマを勝手に移動させることは禁止されています。
必ず、自治体に連絡し、処分してもらいましょう。
専門業者に依頼するのが確実
もし、自分自身で追い出す自信がない場合には、専門の駆除業者もいますので一度相談してみると良いでしょう。
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まとめ
見た目はかわいいアライグマですが、日本においても家畜や農作物に深刻な被害をもたらしています。
さらに、実は凶暴な上、細菌の温床にもなっている危険な動物なのです。
もし、街中で見かけても、食べ物を与えたり、餌付けすることは、絶対してはいけません。
自宅に住みつかれた場合、駆除業者や自治体に連絡をするのが好ましいでしょう。
アライグマかどうかを確認したいときは、尾の縞模様の有無や足跡を参考にしましょう。