イタチと言うと私たちに馴染があるのはペットとして人気のフェレットですが、当然ながら日本には野生のイタチがたくさん生息しています。
フェレットのようなかわいらしさはあるものの、野生のイタチは非常に凶暴で近寄ることもできません。
近年、西日本を中心にそんな野生のイタチによる被害が多発しております。
その被害とは食害や住環境への被害などさまざまです。
さて、ではイタチには一体どのような危険性がありどのように対応していけばよいのでしょうか。
今回は、イタチの生態、駆除退治のための捕獲と予防対策についてご紹介させていただきます。
イタチとは
イタチは、ネコ目イタチ科イタチ属に属する哺乳類で、日本には5種8亜種のイタチが生息しています。
冒頭で述べたフェレットのほか、ミンクやオコジョもイタチ属に分類されます。
日本に多く生息しているのは日本固有種であるニホンイタチで、沖縄県を除くほぼ日本各地に分布しています。
そして、西日本には外来種であるチョウセンイタチも多く生息しており、ニホンイタチの生息域を圧迫していることが問題となっています。
チョウセンイタチは、1930年頃に毛皮業者が養殖のために日本に持ち込んだ個体が逃げ出したことが原因で、西日本で繁殖していったようです。
ニホンイタチよりも体が大きいこともあって優位に立ち、ニホンイタチは山間部に追い込まれる形になっていったのです。
イタチの特徴
さて、それではイタチの特徴についてご説明します。
イタチは細長い胴体に短い四肢、クリっとした目に尖った鼻先、耳は小さく丸いのが特徴です。
イタチではオスとメスの大きさに明確な違いがあり、オスはメスの2倍近く大きくなります。
ニホンイタチの場合で言うと、オスが体長30~37cm、体重290~650gであるのに対し、メスは20~27cm、体重110~180gです。
因みにチョウセンイタチの場合は、オスは体長28~39cm、体重650~820g、メスは25~31cm、体重360~430gです。
毛色はオス、メスともに同じ色で、ニホンイタチは茶褐色、チョウセンイタチは黄褐色です。
“イタチ”という名前はこの毛色から来ており、顔以外の全身の毛が茶褐色で、立ちあがった姿が火柱のように見えることから“火立ち(ヒタチ)”、そこから“イタチ”になったと言われています。
さて、イタチのその他の特徴としては、
・夜行性で単独で生活すること
・泳ぎや木登りが得意であること
・性格は非常に凶暴であること
・警戒時には肛門から悪臭を放つこと
などがあります。
繁殖については一夫多妻制で、メスは年1~2回、1回に5匹前後の仔を出産します。
イタチの生態
イタチは、ニホンイタチ、チョウセンイタチともに特に西日本に多く分布しています。
平野部や山間部、川沿いや海沿いの水辺に生息していることが多いですが、低地にある田畑や民家の近くにも生息しています。
近年は、食べ物が豊富にある都市部近くに生息する個体が増えてきており、側溝や民家の屋根裏などに営巣することが問題となっています。
イタチの食性は雑食で、ネズミ類を中心に昆虫類やカエルなどの両生類、小型鳥類、小鳥の卵やヒナ、さらには自分よりも大きなウサギやニワトリなども捕食します。
コイなどの魚類も食すことがあるようです。
イタチは凶暴なうえに鋭い歯を持っているため、すばやい動きで大きな獲物でも捕らえてしまうのです。
逆にイタチの天敵としてはワシやタカなどの猛禽類、キツネが挙げられます。
イタチによる被害
それでは、イタチによる被害にはどういったことがあるのでしょうか。
イタチによる被害は次の通りです。
①屋根裏や床下に棲みついて繁殖すること
②屋根裏を走り回るなどの騒音被害
③屋内に巣を作ることによる断熱材の破損
④糞尿による悪臭やシミ、汚れ
⑤生ゴミや食品を荒らされる食害
⑥農作物やペットなどへの食害
⑦イタチに寄生するノミやダニ、ハエの大量発生
と、報告されているだけでもこれだけの被害があります。
これらの被害を出す種はニホンイタチとチョウセンイタチの2種ですが、どちらかと言うとチョウセンイタチによる被害が多いようです。
イタチは一度棲みついてしまうと、自主的に出ていくことはほとんどありません。
前述したように、イタチは凶暴なため下手に追い出そうとすると引っかかれたり咬まれたりする危険性があります。
しかし、そのまま放置していては住宅が劣化するうえに、ノミやダニによるアレルギーが発症する可能性もあります。
被害を最小限に抑えるために、イタチを捕獲する必要性が出てくるのです。
イタチの駆除退治、捕獲について
まず、イタチの捕獲は「鳥獣保護法」や「狩猟法」に従って適切に行わなければならず、各自治体に捕獲申請をする必要があります。
因みにメスは非狩猟獣なので、捕獲できるのはオスのみです。
いたちの捕獲には、捕獲ゲージの使用が一般的です。
1、捕獲ゲージを設置するにあたって、まずはカメラなどを用いて侵入経路や巣の場所の確認を行います。
2、場所が確認できたら巣の出入口に設置し、煙を焚くなどして巣から追い出してゲージに追い込むのです。
捕獲ゲージに鶏肉や魚肉などを入れてえさでおびき寄せる方法も効果的です。
3、複数匹棲みついている可能性もありますので、1匹つかまえたとしても再度ゲージを設置して様子を見ましょう。
捕獲したイタチは、できるだけ早く遠く離れた山や河川などの水辺に逃がしてあげましょう。
棲みつかないための予防対策
無事捕獲したあとは、また棲みつかないための対策が必要です。
住宅にイタチがいないことを確認したうえで、侵入口となる隙間を防獣ネットなどで塞ぎます。
イタチは直径5cm程度の穴でもすんなり入り込むことができるので、徹底的に隙間を塞ぎましょう。
侵入口を塞いだら、次にイタチが近寄らない環境づくりをします。
まずは、えさとなるネズミや鳥の巣などがないか確認しましょう。
そして、嗅覚の鋭いイタチには忌避剤が効果的です。
漂白剤や木酢液、燻煙剤などを住宅の周囲に設置することによってイタチが近づきにくい状況を作ることができます。
侵入する可能性のある場所には特に念入りに設置すると良いでしょう。
ただ、嫌いとはいえ忌避剤の匂いにすぐに慣れてしまうこともあるため、忌避剤以外の対策もとると安心です。
他にも、イタチは強い光にも弱いため、点滅するイルミネーションなどを設置する方法もあります。
CDやホログラムをぶら下げて光を反射させるとさらに効果的でしょう。
最近の研究では、イタチのような夜行性動物の撃退には青色LEDが特に効果的という結果が出ているようです。
市販の撃退グッズなども利用しながら、あの手この手で寄せ付けない対策をとると良いでしょう。
何をしてもイタチが何度も棲みついてしまう、といったことがありましたら専門の駆除業者に相談してみてください。
専門業者に依頼するのが確実
もし、自分自身で追い出す自信がない場合には、専門の駆除業者もいますので一度相談してみると良いでしょう。
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まとめ
イタチが家に棲みつくと、騒音や汚れといった被害を受けることとなってしまいます。
できるものなら、棲みつく前に隙間を塞いだり忌避剤を置くなどの予防対策を行っておきましょう。
もし、すでに棲みついている場合はすぐに捕獲したいところですが、イタチを捕獲するには各自治体に捕獲申請をする必要がありますので注意しましょう。
さまざまな外来種も繁殖している現在、食害や住宅に棲みつくといった被害はイタチだけではありません。
アライグマやハクビシンによる被害も問題視されています。
ただ、どんな動物であっても家に棲みつかないための対策は一緒です。
対策をとるのは面倒くさいといった方もいると思いますが、もし棲みついてしまってしまったら大きなストレスになるだけでなく健康面にも影響が出る危険性があります。
非常に厄介な問題ではありますが、快適な生活を送るためにも徹底した対策を心がけましょう。