最近、郊外のみならず都心の住宅街などにも出没することで問題となっているハクビシン。
彼らは畑に忍び込み野菜や果実を荒らす害獣とされていますが、住宅の屋根裏に棲みついて騒音や匂いの原因にもなっているのです。
私たちに人間を悩ませるハクビシン。
今回は、ハクビシンの生態や生息地、駆除対策などについてみていきたいと思います。
目次
ハクビシンとは
ハクビシンは、ネコ目ジャコウネコ科ハクビシン属に属しており、ジャコウネコ科の動物で日本に生息するのは彼らのみと言われています。
ハクビシンは漢字で“白鼻芯”“白鼻心”と書き、その名の通り額から鼻にかけて白い線が入っているのが特徴です。
ハクビシンが在来種なのか外来種なのか、諸説があるためいまだはっきりとは判明していません。
しかし、ハクビシンは明治時代以降に毛皮用として日本に持ち込まれたのが野生化した、という在来種説が有力だそうです。
ただ、明治以前の江戸時代の書物にもハクビシンが描かれているようで、いつから日本に生息しているのかについてはさまざまな議論がなされています。
体の特徴
ハクビシンは体長50~75cm、体重3~6kgほどの大きさで、尻尾はかなり長く尾長40~65cmほどになります。
一般的にオスのほうがメスよりも体が大きいです。
体つきは比較的ネコに似ていますが、顔つきは鼻筋がネコよりも長く額から鼻にかけての白い線があるため、容易に見分けることができるでしょう。
鼻筋以外にも目の下や頬が白い場合が多いですが、顔の白い線は亜種によって異なり顔のほとんどが白い個体もいます。
体色は灰褐色や黄褐色ですが、頭や手足、尻尾の先端は黒色です。
前後足には指が5本あり、足跡にも5本の指跡が残ります。
タヌキやキツネなどの足跡は4本指であるため、畑を荒らされたりした場合、足跡の指の数でハクビシンか他の動物か見分けることができます。
生息地
ハクビシンの生息地はマレーシアやインドネシア、インド、ネパール、タイ、中国南部、台湾など、アジアの多くの国に生息しています。
日本においては、現在はほぼ全国に分布しています。
基本的には低地の森林地帯で樹上生活をする動物ですが、インドやネパールでは標高2500m以上のところに生息している姿が確認されています。
また、日本においてもそうですが、近年は農耕地や都市部の住宅街にも姿を現すようになってきています。
生態
それではハクビシンの生態についてご説明します。
ハクビシンの食性は雑食性で、イチジクやマンゴー、バナナ、ミカンといった甘い果実や木の実、野菜、昆虫やネズミ、カエルといった小動物、鳥や鳥の卵まで捕食します。
その食性は幅広いですが、どちらかといえば果実を好む傾向があるようです。
ハクビシンは夜行性で、活発に活動する時期は4~10月になります。
妊娠期間は約2ヶ月で、1回の出産で約2~4頭の子供を産みます。
野生化での寿命は約10年程度だそうです。
天敵
ハクビシンの天敵として、まず子供のうちはタカやフクロウと言った猛禽類に狙われることがあるようです。
そして、生息域や生態が被るアライグマと争うことが多いようです。
ハクビシンは、体格や凶暴さにおいてアライグマには敵わないようで、棲みかを追われて人里へ下りてくることもあるそうです。
ハクビシンによる被害
ハクビシンは夜行性であるため、夜な夜な自らが作ったけもの道を通って農作物を荒らしにいきます。
果樹園やビニールハウスなどに忍び込み、熟した農作物を食べてしまうのです。
近年、全国の農耕地で被害が拡大しているため、ハクビシンは害獣として問題になってきています。
また、ハクビシンによる被害は農耕地だけではありません。
ハクビシンは都市部の住宅地などにも行動範囲を広げ、住宅の屋根裏に棲みつくことがあります。
屋根裏は冬ごもりの寝床としては快適な環境で、空き家などは狙われやすいでしょう。
ハクビシンが屋根裏に棲みつくと、
・足音による騒音、ギャーギャーといった鳴き声による騒音、糞尿の匂いおよびシミ、害虫の増加
といった被害が出てきます。
住宅に侵入する動物はハクビシンに限りませんが、少しでも動物の気配を感じた場合は一度屋根裏を調べてみると良いでしょう。
ハクビシンは木登りが上手いなど身体能力に優れているため電線の上や屋根の上を歩いて移動することができます。
そして小さな隙間などがあれば、難なく屋根裏に入り込んでしまいます。
ハクビシンが棲みつくと家の骨格も衰えていくでしょう。
冬になる前に一度、住宅にハクビシンが侵入できそうな隙間がないかチェックしておくと安心です。
勝手に捕まえてはダメ!?
あらゆるところで厄介視されているハクビシンですが、実は見つけても勝手に捕まえてはいけません。
現在日本では、鳥獣保護法である「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」の対象になっているためです。
ただ、農作物を荒らしたり住環境に影響を及ぼす個体については、都道府県や市町村に申請すれば捕獲することができます。
ハクビシンが法律によって保護されているのに対し、“特定外来生物”に指定されているアライグマは、国の認定を受ければ捕獲や駆除の対象となります。
ハクビシンもアライグマと同様の被害を及ぼしているのですが、“特定外来生物”に認定されるには外来生物法において「明治以降に移入された」ことをはっきりさせる必要があり、そこが曖昧なハクビシンに関しては“特定外来生物”に指定することができないのです。
ハクビシンによる被害を抑えるには
ハクビシンによる被害を抑えるには、果樹園などへの侵入を防ぐといった対策をとる必要があります。
まずは忌避効果です。
ハクビシンは一度受けた危害は忘れないという習性があるため、ハクビシンが嫌いな匂いや音を設置すると有効です。
ハクビシンは燻煙材やニンニク、石油、忌避剤などの匂いを苦手とします。
音に関しては鉄砲やブザーなどの音をテープにとって流しましょう。
こういった忌避グッズを果樹園や住宅などに設置することにより侵入を防ぐことができるでしょう。
住宅については侵入口を遮断することも予防につながります。
侵入できそうな隙間を見つけたら、網目の狭い金網などで完全に隙間を防ぎましょう。
もちろん、捕獲罠や電気柵を設置することも効果的です。
ただ、生け捕りする場合は、都道府県または市町村の保健所などに有害鳥獣駆除の申請を行う必要がありますので、申請を忘れないようにしましょう。
いずれにしても、対策をとる前にまずは侵入経路を割り出す必要があります。
すでに被害に遭っている場合は、足跡やモニターカメラなどをみて経路を確認しましょう。
ハクビシンの侵入経路に忌避グッズや罠を仕掛けることによってさらに効果が期待できるのです。
農耕地においては、ハクビシンのえさ場を作らないように収穫時の取り残しを放置しないなどの対処も必要です。
専門業者に依頼するのが確実
もし、自分自身で追い出す自信がない場合には、専門の駆除業者もいますので一度相談してみると良いでしょう。
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まとめ
ハクビシンは見た目がかわいいため、恐らく害獣としての認識が低い方が多いと思います。
どんなにかわいくてもペットとして飼育することはできません。
また、あくまでも野生の動物なので非常に凶暴です。
もし見かけても、攻撃されてけがをする可能性がありますので絶対に手を出さないようにしましょう。
農家さんではない限り、まだまだ馴染のない動物ではありますが、確実にその被害は増えてきています。
万が一、自分の家にハクビシンが棲みついてしまっても慌てないでください。
害獣駆除の業者の中でハクビシンも対象としているところがありますので、下手に手を出さず業者に任せることをお勧めします。