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危険な海水魚

ウツボの生態や天敵、噛まれる危険性や毒性について 

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鋭い歯の大型肉食魚「海のギャング」として悪名高いウツボですが、高知県ではカツオと並ぶ「海の幸」として有名ですね。

今回の記事では、怖くもあり美味でもあるウツボの生態や天敵、噛まれる危険性や毒性について解説します。

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ウツボとは

ウツボ

ウツボは、ウナギ目ウツボ亜目ウツボ科の海水魚の総称です。

ウツボってウナギ目だったのか…昔、ウツボについて調べた時にそれを知り、軽くショックを受けたことを覚えています。

でもウナギ目にはウナギやアナゴもいるので、ウツボも美味しいわけだと納得しました。

 

ウツボ科は、2亜種・15属・185種が存在しています。

世界中の温暖な海にいるだけあって種類が豊富ですね。

ウツボ科の学名は「Muraenidae」、英名は「Moray eel」、和名は「ウツボ」です。

 

ところでウツボってちょっと奇妙な響きの和名ですよね。

由来は諸説あって、矢を入れるための「靭(うつぼ)」から来たという説、岩穴に潜む習性があるため空洞を意味する「うつほら」から来たという説などがあります。

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分布域、どんな場所に生息している?

ウツボの分布域は世界中の熱帯・温帯海域です。

生息地は浅瀬で、サンゴ礁・岩礁・消波ブロックなどの岩陰や洞窟にいますが、一部の種類はマングローブ林といった汽水域や淡水域にも生息しています。

 

体の特徴

ウツボ

ウツボの体長は20㎝~4mと種類によって大きく変わりますが、1m前後の種類が多いです。

体形は全体に細長い円筒形で、左右にやや扁平しています。

鰓は小さく、腹鰭・胸鰭は退化して、背鰭・尾鰭・臀鰭は繋がっています。

 

体色は種類によって様々で、生息地によって保護色の役目を果たしていますが、トラウツボやハナヒゲウツボのように派手な体色の種類もいます。

 

口は大きく、鋭い歯を持っていて、飲み込んだ餌を食道に送る第二の顎「咽頭顎」が口顎の奥にあります。

前鼻孔は吻(ふん)の先端に1対、後鼻孔は目の前方に1対ついています。

 

ちなみに、ウツボは体表が湿っていると皮膚呼吸できるため、30分ほどは陸に上がっていられます。

 

ウツボの生態

ウツボ

ウツボの食性は動物食で、魚類・甲殻類・頭足類などを餌にしていて、大好物はタコです。

狩りは待ち伏せタイプですが、夜になると海底を泳ぎ回ったり、鋭い嗅覚を使って潮だまりにいる小魚を獲ったりすることもあります。

 

強面とは裏腹に臆病な性格をしているため、敵に対しては大きな口を開けて威嚇し、相手が逃げないとわかると噛みついて攻撃をします。

 

寿命も種類によって様々ですが、一般的に長生きとされ、ニセゴイシウツボは飼育下では25年を超えるとされます。

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一般的に日本でウツボと呼ぶのは?

一般的に種としてウツボと言えば、学名「Gymnothorax kidako」、和名「ウツボ」を指します。

ちょっとややこしいですが、「ウツボ」以外は「トラウツボ」や「ナミダカワウツボ」という和名がついています。

でもウツボ科の仲間を総称してウツボとも呼ぶのです。

 

種としての「ウツボ」は、体長は80㎝ほど、体色は黒褐色と黄色のまだら模様で、このまだら模様は全体で見ると縞模様に見えます。

尻鰭の縁は白色で、分布域は本州中部以南・台湾・南シナ海です。

 

ウツボの危険性

ウツボ

ウツボの歯は鋭く、顎の力が強いため、噛まれるととても危険です。

最悪の場合、指を噛みちぎられます。

そうでなくとも、縫合が必要なほどの傷を負う危険性は十分にあります。

 

水中でウツボに遭遇したときの対処法は、その場からゆっくりと離れることです。

決して、追いかけまわしたり、触ろうとしたりしない事です。

 

また、ウツボは岩場の影や穴に隠れていることが多いため、海に入る際は岩などにむやみに手を置かないように注意しましょう。

隠れていたウツボに気付かずに、手を噛まれてしまう危険性もあります。

 

釣り上げてしまった場合は暴れて噛まれるかもしれないので、糸ごと切って逃がしましょう。

 

さらに、ウツボが危険視されるのは、餌を狩る習性にもあります。

優れた嗅覚を駆使して潮だまりにいる小魚を獲るのですが、岩場で魚をさばいている人間の元にまで上陸してくることもあるのです。

予防法としては、ウツボの生息地ではうかつに岩場などで魚をさばかないことです。

 

もしウツボに噛まれてしまったら、軽傷であれば傷口をきれいに洗い流し、消毒をします。

出血が止まらないようであれば、傷口を縫う必要があるかもしれないので病院へ行きましょう。

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ウツボには毒がある?

ウツボには、噛まれると被害を受けるような毒はありません。

ただ、ウツボの一部には「シガテラ毒」を持つ種類もいて、日本では食用にされるドクウツボがシガテラ毒を持っている場合があります。

 

「シガテラ毒」とは、シガテラという食中毒の原因となる毒素で、熱帯の海でプランクトンが作ったこの毒素に汚染された魚介類を食べてしまうと食中毒を発症します。

1~8時間ほどで現れる症状は、嘔吐・下痢・腹痛・不整脈・血圧低下・めまい・頭痛・筋肉の痛み・麻痺・感覚異常などです。

治療法は、残念ながらありません。

 

日本では「シガテラ毒」による国内の死亡例はありませんが、海外では報告されています。

大型の個体は食べない方がいいしょう。

 

ウツボの天敵は? 逆に仲良しがいるって本当?

ウツボ

ウツボは生息地の範囲では食物連鎖の頂点にいます。

成長したウツボには人間くらいしか天敵はいないと言えますが、逆に、体が小さい時期、あるいは生息地である浅瀬や岩場などに自分よりも大きな肉食動物が侵入してくれば、ウツボでも捕食されてしまいます。

 

逆に、ウツボと仲良くしている「仲良しさん」がいるのも本当です。

動物の世界なので、友達というよりはビジネスパートナーですね。

相利共生(そうりきょうせい)」と呼ばれる関係で、この関係はウツボの場合2パターンあります。

ひとつはウツボの体についた寄生虫を食べてくれるパートナーで、オトヒメエビ・アカシマシラヒゲエビ・ゴンズイの若魚・ホンソメワケベラなどですね。

もうひとつはウツボの大好物タコをおびき寄せてくれるパートナーで、イセエビ類です。

イセエビは天敵のタコから身を守ってもらえるので、お互いに大切な仲間と言えますね。

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ウツボ料理

ウツボを食材として利用する歴史は長く、江戸時代にまで遡ります。

いつも思うのですが、このような恐ろしい外見の魚を一番最初に食べた人は勇気がありますよね。

よほどお腹が空いていたのか、珍しい食材を探し求めるグルメだったのか…。

 

ウツボは外見に似合わず、臭みがなく、コラーゲンが豊富な白身魚です。

日本で食用になるのは、ウツボ・トラウツボ・ドクウツボなどで、ハモのように骨が多いので骨切りをします。

調理法は、刺身・タタキ・揚げ物・かば焼き・煮つけ・佃煮・鍋などですね。

加熱すると、鶏肉のようにあっさりとした味でモチモチした食べごたえがあります。

 

まとめ

ウツボは鋭い歯を持っており、噛まれると大怪我をする危険性があります。

水中でウツボに遭遇したときは、その場からゆっくりと離れるようにしましょう。

また、ウツボは岩場の影や穴に隠れていることが多いため、岩などにむやみに手を置かないようにも注意しましょう。

 

ウツボと言えばとにかく外見が恐ろしいのですが、新潟県の上越市立水族博物館にはひと目見たら全身に衝撃が走るほどのウツボがいました。

それは、ぷっくりとしたピンク色の唇が可愛らしい「タラコ唇のサビウツボ」です。

ウツボがカワイイとかあり得ない気もしますが、実際本当にキュートです。

ちなみに“いました”と過去形で書いたのは、2017年8月現在こちらの水族館はリニューアル中だからです。

2018年にリニューアルしても「タラコ唇のウツボ」が再度展示されることを願わずにはいられません。

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