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危険なイヌ科動物

キタキツネの生態と寄生虫(エキノコックス症)について

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北海道で遭遇するかわいい野生動物といえば、大きなしっぽが特徴のキタキツネですね。

愛らしい姿のキタキツネですが、注意すべきことがあります。

このキタキツネ、最悪の場合命に関わるエキノコックスという寄生虫の宿主なのです。

今回は、キタキツネの生態と寄生虫(エキノコックス症)についてご紹介します。

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キタキツネの生態

キタキツネ

キタキツネは、食肉目(ネコ目) イヌ科の動物です。

全体に赤褐色で、あごから腹部にかけては白色の毛色をしていて、頭から胴の長さが60~80cm、体重2.5~10kgで、太くて長いしっぽが特徴です。

日本では、北海道の山地や平地、市街地に至るまで広く生息しています。

ノネズミ類を主に食し、その他には、ウサギや魚、鳥、爬虫類、昆虫、農作物、果物など、さらに、人間の食事の残飯なども食べることがあるそうです。

 

キタキツネは、林などの斜面に横穴を掘って巣穴を作ります。

12~2月が繁殖期といわれ、3月下旬~4月には3~6匹の子どもを出産します。

 

 

北海道でキタキツネを見かけることは珍しくなく、餌をねだって人間に近寄ってくる個体もいます。

とっても愛らしい姿のキタキツネですが、キタキツネ自体を触ったり、キタキツネの糞の周辺に触れたりしないように気をつけなければいけません。

もちろん、野生動物であるため、むやみに触ったり餌をあげたりするのは自然の生態系を乱す行為となるため、よくないということもあります。

しかし、加えてキタキツネの場合、ヒトがエキノコックスという寄生虫に感染してしまう恐れがあるのです。

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キタキツネの寄生虫(エキノコックス症)とは

キタキツネは、エキノコックスという寄生虫の成虫が寄生する終宿主となります。

エキノコックスには、4種類あり、そのうちの多包条虫(たほうじょうちゅう)がキツネや犬を終宿主とし、キツネや犬の腸に寄生します。

多包条虫とは、わかりやすくいえばサナダムシの仲間です。

 

北海道行われた調査では、キタキツネの約40%がエキノコックスに感染していたそうです。

 

エキノコックスの成虫が産んだ卵は、キツネや犬の糞とともに体外へ排出されます。

体外へ排出された卵は、ノネズミの口から体内へ入り、幼虫が主に肝臓に寄生します。

エキノコックスの幼虫が寄生したノネズミをキツネや犬が食べて、エキノコックスは腸で成虫になり卵を産み、糞とともに排出されるというサイクルを繰り返します。

 

キタキツネの体外へ糞とともに排出された虫卵が、何らかの機会にヒトの口から体内に入ると、卵から孵化した幼虫は腸壁から血液やリンパの流れにのって、主に肝臓に寄生し、感染から約十数年後にエキノコックス症を発症します。

ただし、エキノコックスは、ヒトからヒトへの感染や、ノネズミからヒトへの感染は通常ありません。

 

ヒトがエキノコックスに感染しても、しばらくは何の症状もありません。

大人だと10~20年、子供で5年ほど経ってから症状が現れます。

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エキノコックス症の症状は?

エキノコックスの幼虫は、主に肝臓で増えて、腫瘤を作ります。

進行すると、

腹痛、肝臓が腫れ、肝機能障害、白目や肌が黄色くなる黄疸

などの症状が現れます。

 

さらに進行すると、他の臓器にも寄生し障害を起こします。

脳に寄生して、けいれんや意識障害を起こすこともあり、放置しておくと、命にかかわる場合があります。

 

エキノコックス症の治療

キタキツネ

エキノコックス症になってしまった場合は、外科的に手術で病巣を取り除くのが主な治療法です。

早期の発見だと、病巣が小さく手術で除去できる可能性も上がります。

しかし、病状が進行していると、すべてを取り除くのが困難で、完治が難しくなる場合があります。

症状が現れた後、5年放置した場合の死亡率は約70%にもなると言われています。

 

もし、飼っている犬がエキノコックスに感染していた場合は、プラジクアンテルという駆虫薬での駆除が必要です。

動物病院で手に入りますので、飲ませてあげましょう。

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エキノコックス症の予防対処法

エキノコックス症の対処法として最も大切なのは、感染を予防することです。

ちなみに、エキノコックスの卵は、直径0.03mmと非常に小さいので肉眼で見ることはできません。

したがって、意識した行動をとり事前に予防するしかないのです。

 

・感染を予防するには、キタキツネに遭遇しても触ったり糞の周囲には近づかないようにしましょう。

・野山から帰ったら、しっかり手を洗うことも重要です。

・虫卵が混入していそうな湧き水を飲むことは避け、山菜などは、よく洗って、100℃で1分以上の加熱調理をしましょう。

・キタキツネが寄ってこないよう、食べ物の保管やゴミの処理にも気を付けましょう。

 

 

また、犬も終宿主になります。

北海道で飼われている犬のうち、約1%がエキノコックスに感染していたという報告もあります。

飼い犬を散歩のとき放したり、放し飼いにするのはやめましょう。

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早期発見のための検査

エキノコックス症は、発症してからでは手遅れとなることも多く、最悪の場合死亡する可能性もあります。

早期の発見が大切ですので、

・北海道に長年住んでいる

・キタキツネに触ったことがある

・北海道で犬を飼っており、放し飼いにしたことがある

人は、各市町村が実施する健康診断(血液検査)を受けてみましょう。

 

 

キタキツネはエキノコックス症にならないの?

ヒトが死亡するほど怖い寄生虫であるエキノコックス。

キタキツネ自身もエキノコックスで死んでしまわないのか?と疑問に思いますよね。

 

結論から言いますと、キタキツネがエキノコックス症で死亡することはありません。

それはエキノコックスの形態と住む場所がヒトと異なるからです。

 

ヒトの場合、卵から孵ったエキノコックスの幼虫が肝臓などに寄生し、様々な障害を起こします。

しかし、キタキツネの場合は、成虫が小腸にのみ寄生しているので、下痢をする程度の症状しか現れないのです。

 

終宿主である犬も、キタキツネと同様です。

ちなみに、ネズミはヒトと同じように肝臓に寄生されますが、寿命が短いためエキノコックス症が起きる前に死んでしまっているそうです。

 

まとめ

キタキツネは、エキノコックスという寄生虫を持っていることがありますので、注意が必要な動物です。

ヒトがエキノコックスに感染すると、約10年後に肝機能障害などを起こし最悪の場合死亡します。

エキノコックスを予防するには、

・キタキツネに近づかない

・キタキツネの糞に汚染されている可能性のある湧き水などは飲まない

・山菜などの食べ物はよく洗って加熱調理する

・野山から帰ったらしっかり手を洗う

・家の周囲に食べ物やゴミを放置しない

などを意識することが大切です。

また、飼い犬もエキノコックスの終宿主となりますので、散歩の際放したり、放し飼いをするのはやめましょう。

 

キタキツネは、野生の動物です。

餌付けをしてヒトの生活域に近づけるようなことはしないのが大切ですね。

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