ガンガゼというウニの仲間をご存知ですか?
ダイビングでよく見かけるあの長い棘を持った黒い丸い生物です。
ガンガぜの鋭く尖った棘には毒があり、刺されるとしばらく痛い思いをすることになります。
今回は、ガンガゼの生態や毒性、刺されたときの症状や治療法についてご紹介します。
ガンガゼの生態
ガンガゼとは、ウニ綱・ガンガゼ目・ガンガゼ科・ガンガゼ属に分類される、とても長い棘を周囲に持ったウニの仲間です。
黒紫色をしていて、直径5~9 cmの殻の周りに長い棘をまとっています。
中には棘の長さが30cmくらいになる大きい個体もあります。
棘の表面には、長い棘の根元に向かってさらに細かい棘がギザギザと生えていて、いわゆる返し状態なので刺さると抜けにくいです。
ガンガゼ`には、光を感知する機能があり、ガンガゼの上に影ができると、長い棘を振り動かします。敵が近づいてきたと思うんですね。
ガンガゼは、インド洋、西太平洋の暖かい浅海に生息していて、日本では房総半島や相模湾より南の海で見られます。
水深15mくらいの海域の岩の陰や、サンゴ礁などでみられます。
単独で岩陰などに生息していたり、開けた海底に集団で生息していたりします。
ウニと言えば、高級食材として有名ですが、食用として一般的なのは、ムラサキウニやバブンウニです。
ガンガゼも食べられるそうですが、一部の地域以外では、食用としては用いられていません。
その他、イシダイのように、魚の中には、ガンガゼを食べるものもいます。そのため、ガンガゼは、イシダイ釣りのえさとして売られています。
ガンガゼの危険性
ガンガゼの長い棘は、細くて折れやすく、返し状になっているため、刺されると皮膚に棘が残りやすいです。
さらに、棘には毒があり、刺されると激しい痛みに襲われます。
ガンガゼの棘は鋭く、ウェットスーツも容易に突き通してしまいます。
ガンガゼは、岩の陰から長い棘だけが出ていたり、浅瀬にいたりすると、ダイビングやシュノーケリングなどの際に、気づかず近づきすぎたり、踏みつけてしまったりして、刺される場合が多いようです。
また、ガンガゼが沿岸のワカメやコンブなどの海草を食べて尽くしてしまうことで、海草が枯れてしまう磯焼け(いそやけ)と呼ばれる現象を引き起こす原因のひとつとなります。
ガンガゼの毒とは?刺された時の症状
ガンガゼの毒の成分は、タンパク質の一種ですが、その詳細は未だわかっていません。
ガンガゼに刺されると、患部は腫れ、激しい痛みを伴います。
場合によっては、体が麻痺したり、呼吸困難を起こしたりする重症なケースもありますので、十分注意が必要です。
通常、激しい痛みは、数時間で和らぎますが、患部の腫れは数日間は続くといわれています。
また、体内で折れた棘の周囲が感染症を起こして化膿する場合もあります。
刺された時の対処法
ガンガゼに刺されてしまったら、下記のように対処しましょう。
1、刺された部分に残っている棘はできるだけ取り除きましょう。
棘は折れやすいため、まっすぐに抜きましょう。
ピンセットがあると便利ですね。
また、ポイズンリムーバーという毒を絞り出す道具があるので、念のため準備しておくのも良いでしょう。
2、40~45℃くらいのお湯に30分ほど患部をつけると、痛みが和らぎます。
やけどに注意し、入浴の際より少し熱めのお湯を目安とするとよいでしょう。
ガンガゼの毒は、タンパク質であるため、熱によって変性し、不活化するため、痛みを和らげることができるのです。
3、体内に棘が残ってしまった場合は、化膿する恐れがありますので、病院を受診し手当てを受けることが大切です。
また、痛みが長引く場合も病院を受診するようにしましょう。
刺されないためには
当たり前ですが、ガンガゼは絶対に素手で触ったりしてはいけません。
釣り餌として触れる際も、慎重に棘を除去してから扱うようにしましょう。
シュノーケルやダイビングなどの際は、周りをよく確認し、むやみに海底や岩場に足をつけないようにしましょう。
また、サンゴ礁や岩場の下になど見えない場所にいることもあるので、不用意に手や足を突っ込むのも危険です。
ガンガゼが生息する海域でのダイビングなどは、ウェットスーツや手袋、底の厚いブーツを着用するようにしましょう。
まとめ
ガンガゼは、ウニの仲間で、とても長い棘をまとっているのが特徴です。
ガンガゼは、暖かい浅い海に生息していて、日本では、房総半島や相模湾より南で見られます。
単独で岩場などに生息していたり、海底で集団を作っていたりします。
ガンガゼの棘には毒があり、刺されると、腫れて、激しい痛みに襲われます。
ガンガゼの棘は、細くて鋭く、ウェットスーツなども突き通してしまいますが、とても折れやすく、皮膚に刺さると棘が体内に残ってしまうことがあります。
棘が体内に残ると感染を起こし、化膿する場合もありますので、注意が必要です
ガンガゼの毒は、タンパク質の一種であるため、40~45℃のお湯で患部を温めることにより、毒のタンパク質が変性し、不活化され、痛みが和らぎます。
海の生物は、見た目の綺麗なものやユニークな形状のものなど神秘的なものが多いですが、中には、毒をもつものもいますので、むやみに触ったりしないことが大切ですね。