突然ですが、皆さんは「けものフレンズ」ってご存知ですか?
様々な動物を萌え系の女の子に擬人化したもので、ゲーム、マンガ、アニメなど幅広く展開され、人気を博しているんだとか。
最近では、けものフレンズの人気を受け、NHKの動物番組でサーバルというネコ科の動物の再放送が決定した事が話題となりました。
マンガの中でサーバルの親友とされているのが同じネコ科の動物、カラカルです。
今回はネコ好きの方、けもフレファンの方必見、カラカルの生態や危険性、ペットとしての飼育について紹介していきたいと思います。
カラカルってどんな動物?
カラカルは、食肉目ネコ科カラカル属に属する動物です。
主な生息地はアフリカ大陸、イラン、インド、サウジアラビア、アフガニスタン、パキスタンなどの乾燥した草原や丘陵地です。
体長は60~90cm、体重は20kg前後です。
ペットのネコより一回り大きいサイズといった印象でしょうか。
体の色は赤褐色や黄土色、顎下~腹にかけては白く、体毛は短いです。
体は他のネコ科のライオンやトラの様にどっしりはしておらず、手足が長くスリムな体系で尾が長いです。
カラカルという名前は、トルコ語で黒い耳を意味するkarakulakに由来しています。
カラカルの最大の特徴とも言えるのは耳であり、大きく三角形を成していて先端には黒く長い房毛が生えています。
肉食性で、ネズミなどの小動物、鳥、レイヨウなどを捕食しています。
野生下のカラカルは獰猛で気性が荒く、優秀なハンターでもあります。
驚異の身体能力
カラカルは優れたハンターで、狩りの成功率はネコ科の動物の中でもかなり高いそうです。
スリムな体形は俊敏に動くことに適しています。
走るスピードはもちろんの事、驚くべきはそのジャンプ力です。
カラカルが飛び立った鳥を空中で捕まえる映像を見た事はあるでしょうか?
時には髙さ3メートルまでジャンプして鳥を捕らえる事ができると言われます。
実際映像を見たのですがすごい!の一言に尽きます。
小さな鳥なら一度に何羽も叩き落として捕えることが出来ると言います。
カラカルのジャンプ映像↓
特徴的な大きな耳は、色んな方向に動かすことが出来ます。
これにより獲物が出す音を捉え、獲物が潜む方向、距離を把握します。
まさに、カラカルの大きな耳はレーダーの様な役割を担っているのです。
また、獲物に狙いを付けると、20分くらい同じ姿勢でじっと攻撃のチャンスが来るまで待ち続けることもあります。
物凄い忍耐力も持ち合わせているのです。
自分より大きなジャッカルやハイエナなどから獲物を奪うこともあり、勇敢さも持ち合わせています。
カラカルは家で飼育できる?危険性はないの?
カラカルの顔は、一見すると野生の凛々しさはありますがペットのネコとそんなに変わりありません。
野生化では獰猛ですが、子供の頃から育てると人間にも慣れて甘える様にまでなるらしいです。
実際に、イランやインドではカラカルを飼いならして、ウサギや鳥の狩猟に使っていたそうです。
そこで気になるのがカラカルを家で飼育することはできるのか?という事です。
結論から言いますと、飼育することはできます。
と言っても多くの条件付きですが・・・。
カラカルは特定動物に指定されています。
特定動物とは何かというと、動物愛護管理法という法律の中で人間に危害を与える恐れがあるものとされています。
もともとは獰猛な野生のネコですから、爪も牙も鋭いです。
いつ本能を取り戻して襲い掛かってくるか分かりません。
襲われたら大けがは免れないでしょう。
飼育には都道府県知事又は政令市の長の許可が必要です。
さらに飼育する際には以下の様な基準を守らなければいけません。
1.飼養施設の構造や規模に関する事項
・一定の基準を満たした「おり型施設」などで飼養保管する
・逸走を防止できる構造及び強度を確保する
2.飼養施設の管理方法に関する事項
・定期的な施設の点検を実施する
・第三者の接触を防止する措置をとる
・特定動物を飼養している旨の標識を掲示する
3.動物の管理方法に関する事項
・施設外飼養の禁止
・マイクロチップ等による個体識別措置をとる(厚生労働省のホームページより抜粋)
3メートルもジャンプするとなると屋内はもはや無理です。
カラカルの脱走を防ぐための、檻などをそろえるだけでも相当な金額になります。
しかも、お値段1頭100万円~200万円以上。
キャットフードは不可で基本生肉を与える事になるそうです。
1ヶ月のエサ代は普通のネコの数倍かかるのだとか。一体年間でどれくらいの金額になってしまうのでしょうか?
んー。普通はここまでして飼おうとは思わないですよね。
やはり、一般家庭ではほとんど飼育不可能ですね。
まとめ
カラカルは驚異的な身体能力を持った優秀なハンターです。
自然環境の破壊によって生息数は減少し、ワシントン条約で保護されています。
飼育することは可能ですが、元々は獰猛な野生動物故、厳しい基準を守らなければならず、更には多額の費用が必要となります。
人間のエゴによってペットにされるのはカラカルにとって果たして幸せなのでしょうか?
やはり大自然の中で生きていくのが彼ら本来の姿だと思います。
自然環境を守ることで彼らの減少を食い止めていきたいものですね。