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危険な海水魚

バラハタの生態や毒成分、シガテラ中毒について

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2016年4月、築地市場で食中毒の可能性のある「バラハタ」という魚が販売され、中華料理店で客に提供されていたことが発覚し、ニュースになりました。

幸いにも、この時は客に食中毒の被害はありませんでした。

市場に出されてしまった原因として、見た目のよく似た高級魚のスジアラという魚と見間違えたからではないか?と言われています。

皆さんはこの騒動を覚えていますか?

 

あまり馴染みのない魚であり、食中毒の可能性があるというバラハタですが、沖縄では食用として普通に流通しています。

いったい、どういう事なのでしょうか?

今回は、バラハタの生態や毒成分、シガテラ中毒について紹介していきます。

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バラハタの基礎知識

バラハタ

出典:wikipedia

まず、バラハタがどんな魚なのか紹介します。

 

バラハタは、スズキ目ハタ科に属する魚です。

インド洋や太平洋、日本では和歌山以南から琉球列島などの暖かい海におり、岩礁やサンゴ礁の浅い海から水深200mに生息しています。

肉食で甲殻類や他の魚を餌としています。

 

大きさは60cm位、大きくなると80cm位になります。

体の色は鮮やかな赤で表面にピンクや青い斑点があります。(漢字で書くと薔薇羽太です。体の鮮やかな色をバラの花に例えたのでしょう。)

しかし、中には体の一部が黒い物、全身が黒い個体もいます。

バラハタ

バラハタ 出典:wikipedia

各ひれの後部が黄色く縁どられ、尾びれは三日月状に湾曲しています。

築地での騒動はスジアラという魚と間違えたことが原因ですが、この尾びれの形がスジアラと大きく異なり見分けるポイントだそうです。

 

美味。バラハタは沖縄では高級魚

沖縄では「ナカジューミーバイ」と呼ばれ、高級魚として販売されています。

ナカジュ―は長い尾、ミーバイはハタ類の意味です。

気になるお味は…脂がのった美味しい白身魚であり、刺身や、煮つけ、唐揚、塩焼きなど様々な調理法で食べられるそうです。

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バラハタには毒がある?シガトキシンとは?

築地で問題になったのは、あくまでもバラハタが食中毒を起こす「可能性」のある魚だからです。

この可能性というのがポイントで、実はすべてのバラハタが食中毒を起こすわけではありません。

 

この為、バラハタは全国的に販売禁止となってはおらず、もともと食用としていた沖縄県では今でも普通に販売されています。

では、なぜバラハタを食べて食中毒を起こすことがあるのでしょうか?

食中毒の原因となるのは「シガトキシン」という毒素です。

シガトキシンによって引き起こされる食中毒の事を「シガテラ中毒」と呼びます。

バラハタ

出典:wikimedia

シガトキシンは、熱帯の海に住む有毒渦鞭毛草というプランクトンに由来しています。

このプランクトンを小魚が食べ、その小魚を大型の魚が食べ、さらに大型の・・・という食物連鎖によって、生態系の上位にあたる大型の魚たちほど毒素が高濃度に蓄積されていきます。

これを生物濃縮と呼ぶのですが、バラハタはちょうど生態系の上位に位置しています。

 

したがって、大型になるほど有毒である可能性は高く、体重2kg以上、全長48㎝以上のバラハタは食べるのを避けるよう言われています。

 

また、シガトキシンは熱に強く、加熱しても分解されることがありません。

なので、身を食べなくても煮汁に染み出した毒で中毒になる事もあります。

 

有毒渦鞭毛草はもともと熱帯の海に生息していたのですが、近年の地球温暖化による海水温の上昇などにより分布が北上し、本州でも見られるようになってきました。

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シガテラ中毒の症状は?

シガトキシンによる中毒症状は有毒の魚を食べてから1時間~8時間ほどで発症し、長い場合は2日以上してから発症する場合もあります。

シガテラ毒で最も特徴的なものは、ドライアイスセンセーションと呼ばれる聞き慣れない症状です。

冷たい物に触れるとまるでドライアイスに触れて凍傷になってしまったかのように感じたり、暖かい物に触れても冷たく感じたりする様な温度感覚異常が起きます。

 

この他には、消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など)、や循環器系症状(脈拍数が減少したり、血圧が低下)などがあります。

神経症状(関節痛、筋肉痛、しびれ、痒みなど)は長く続き、軽症であれば1週間ほどでなくなりますが、重症になると数か月から1年以上続くことがあります。

治療方法は確立しておらず症状に合わせた対症療法しかありません。

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シガテラ毒の危険がある魚達

日本でシガテラ毒の危険がある魚はなんと400種類にも上ります。

そんな事実を聞くと安心して魚が食べられなくなりそうです。

 

バラハタの他にシガテラ毒の危険があるのは

・バラフエダイ、イッテンフエダイ、イトヒキフエダイ、アカマダラハタ、オオアオノメアラ、アズキハタ、イシガキダイ、ヒラマサ、ドクウツボ、オニカマス、マダラハタ、アカマダラハタ、アオノメハタ、キツネフエフキ、ロウニンアジ

 

などです。

これらは厚生労働省がネット上にて公開しているので見ることができます。

 

それだけ?と思いますが、現在、オニカマスのみが食用禁止となっています。

イシガキダイやヒラマサは割とよく聞く名前ですが、他はどれも聞いたことのない魚ばかりですね。

こうして見ると、一般に流通している魚であれば食べてもほぼ問題ないと考えて良さそうです。

と言っても、築地の騒動があった同じ年、沖縄でバラハタでのシガテラ毒が報告されています・・・んー安心して良いのやら良くないのやら。

 

これまでは沖縄地方でのシガテラ毒の報告が多かったのですが、最近では本州などでイシガキダイでの被害報告が増加しているとのことで問題となっています。

やはり海水温の上昇が影響しているのは間違いないのではないかと感じます。

 

シガテラ毒に合わない為には、見た事のない魚は決して食べないこと。

これに尽きます。

釣りをする人で、自分で捌いて食べるという方は特に注意して下さい。

沖縄に行って、バラハタを食べようという方は当たってしまう可能性もあるということを頭に入れておきましょう。

当たるか当たらないか、まさにロシアンルーレットみたいなものです。

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まとめ

バラハタは、シガテラ毒という食中毒を引き起こすことがある魚です。

しかし、全てのバラハタが食中毒を引き起こすわけではない為、沖縄県では販売規制がされず、高級魚として今も食用とされています。

シガテラ毒の症状である、温度感覚異常、神経異常、消化器異常などは完治まで長い期間がかかることもあり、治療法は確立されていません。

大型になるほど有毒である可能性は高いので、体重2kg以上、全長48㎝以上のバラハタは食べるのを避けましょう。

 

シガテラ毒の危険性がある魚の種類は非常に多いですが、100%では無いにしても、一般に流通している魚であればそれほど気にすることはないでしょう。

しかし、シガテラ毒に合わない為には、釣りなどの際に見た事のない魚は食べない事が重要です。

海水温の上昇が影響しているためか、元々沖縄地方での報告が多かったシガテラ毒の被害が近年、本州での報告が増加し問題となっている事も忘れてはいけません。

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