ハナブトオオトカゲというトカゲをご存知でしょうか。
ハナブトオオトカゲは世界最長のトカゲと言われています。
世界最大のトカゲであるコモドオオトカゲについて聞いたり見たりしたことがあるという方は多くても、ハナブトオオトカゲという名前を聞いたことがあるという方は少ないのではないでしょうか。
今回は、世界最長のトカゲであるハナブトオオトカゲの生態や危険性についてご紹介させていただきます。
目次
ハナブトオオトカゲとは
ハナブトオオトカゲは、オオトカゲ科オオトカゲ属に属するトカゲです。
最大全長は4.75mにも達しますが、胴体部分は短くスリムな体型をしているため、全長が同じであれば、コモドオオトカゲの方が体重は重いとされています。
ハナブトオオトカゲの口先は太く丸みを帯びていて、口先が尖っている他のオオトカゲとは大きく違っています。
この特徴からハナブトオオトカゲと呼ばれています。
特徴的な尾と美しい模様
ハナブトオオトカゲは世界最長のトカゲと言われていますが、それは全長の3分の2以上にもなる非常に長い尾を持つことに由来しています。
体の色は黒色で、胴体や尾に大小様々な大きさの黄色い斑点が散在しています。
子供のころは黄色い斑点が大人より多く、より美しい模様をしています。
これらの斑点は、熱帯雨林の木々に紛れて外敵から身を守る役割を果てしています。
生息域と生態
ハナブトオオトカゲは、ニューギニア島のみにしか生息していない島固有のオオトカゲです。
主にニューギニア島のマングローブ林や熱帯雨林に生息していて、普段は木の上で生活しています。
足の爪は鋭く曲がった形をしていて、木にしっかり捕まることができるようになっています。
長い尾を枝に巻きつけて体を支えたり、水中を泳いだりすることもできます。
食性は肉食
ハナブトオオトカゲは肉食動物で、昆虫や鳥、小型の哺乳類から、死んだ動物の肉まで様々なものを食べます。
まっすぐ鋭い歯を持っていて、肉をそぎ取ったり、引き裂いたりするのに適しています。
素早い身のこなしで獲物に鋭い歯で噛みついて仕留め、引き裂いて食べてしまいます。
攻撃的な性格をしていて、豚や犬が襲われたり、人間がかまれて死亡した記録もあるそうです。
ふ化した子供もビッグサイズ
飼育されていたハナブトオオトカゲの産卵記録では、一度に4~12個の卵を産み、ふ化には200日程度かかります。
ふ化に半年以上かかるため、ふ化した子供はすでに40cm以上の大きさをしています。
ふ化した子供にも黄色い斑点模様が存在していて、斑点が小さくて多いため、大人よりも美しいと言われています。
全長が1.5m位になると、成熟した大人になり繁殖することができるようになります。
最も危険なオオトカゲ!武器は長い尾
ハナブトオオトカゲは、攻撃的な性格であり、動物園では飼育員に長い尾をたたきつけて攻撃してくることもあるそうです。
また、獲物の肉をそぎ取る鋭い歯も持っており、最も危険なオオトカゲとして知られています。
前述したように、人間が噛まれて死亡した記録もあるようです。
そして、ハナブトオオトカゲの最大の武器は、特徴的な長い尾です。
体長の3分の2を占める長い尾を鞭のようにしならせて、たたきつけます。
その威力はかなりのもので、直撃を食らえば大怪我をする恐れもあります。
ペットとして飼育するなら
黄色い斑点が美しいハナブトオオトカゲはペットとして飼育することが可能ですが、流通が少ないため非常に高価(約20万円ほど)です。
さらに攻撃的で神経質な性格をしているため、ペットとして飼育するにはそれなりの覚悟が必要となります。
ペットとして飼っているハナブトオオトカゲに嚙みつかれて、指を骨折した人もいるそうです。
飼育下では2m程度の大きさにしか成長しませんが、それでも4畳半程度のスペースが必要となります。
熱帯雨林の温かい地域に生息していますので、季節の温度変化が大きい日本で飼育するなら、温室を用意してあげましょう。
長い尾による攻撃はもちろん、鋭い歯による噛みつき攻撃にも要注意です。
また、爪も木に捕まるために鋭く曲がった構造をしていますので、触る際には注意が必要です。
ハナブトオオトカゲは人間に危害を及ぼす可能性があるため、動物愛護法で特定動物に指定されています。
そのため、ペットとして飼育するには都道府県知事の許可が必要となります。
まとめ
世界最長のトカゲ、ハナブトオオトカゲは美しい模様の持ち主ですが、危険生物でもあります。
おとなしいハナブトオオトカゲもいて人間に慣れることもあるそうですが、基本的には攻撃的な性格をしています。
興味本位で飼うのはやめておいたほうが良さそうです。
まずは動物園などで実際にハナブトオオトカゲを見てみてはいかがでしょうか。
美しい模様に魅了されると共に、その大きさに驚いてしまうかもしれません。