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アメリカドクトカゲの生態や毒性について

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その毒性の強さからも、ヘビは毒持ち生物の代表的存在ですが、同じ爬虫類のトカゲにも毒を持つものがいます。

しかし、ヘビのようにその数は多くはなく、有毒のトカゲは世界中でも極わずかしかいません。

「アメリカドクトカゲ」はそんな数少ないドクトカゲの1種で、現在では生息数の減少からも絶滅の恐れがあるため保護の対象とされています。

今回は、アメリカドクトカゲの生態や毒性についてご紹介させていただきます。

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世界でも珍しい毒を持つトカゲ

アメリカドクトカゲ

出典:wikimedia

トカゲは世界中に約3400種類ほどが存在しますが、ドクトカゲと呼ばれる有毒種は、「アメリカドクトカゲ」と「メキシコドクトカゲ」「コモドオオトカゲ」の3種類のみです。

 

アメリカドクトカゲとメキシコドクトカゲは、トカゲ目ドクトカゲ科に属する大型のトカゲです。

コモドオオトカゲは、オオトカゲ科オオトカゲ属に分類される最大で約3mにもなる超大型のトカゲです。

アメリカドクトカゲとメキシコドクトカゲの毒は神経毒で、コモドオオトカゲの毒は出血毒になります。

 

アメリカドクトカゲは北アメリカ南西部からメキシコ北西部にかけて、メキシコドクトカゲはメキシコ北部に、コモドオオトカゲはインドネシアの小スンダ列島にそれぞれ分布しています。

 

アメリカドクトカゲ、メキシコドクトカゲ、コモドオオトカゲ、3種ともに生息数の減少から保護対象となっています。

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アメリカドクトカゲの生態

アメリカドクトカゲは、ドクトカゲ科ドクトカゲ属に分類されるトカゲです。

アメリカドクトカゲは、主にアリゾナとメキシコの砂漠や乾燥した荒地に生息しています。

英名Gila Monsuter(ヒラ・モンスター)と言われており、たくさん生息していた南アリゾナ川(Gila River)の名前に由来しています。

アメリカドクトカゲ

出典:wikimedia

全長は45cm前後、最大で60cmほどになります。

胴は円筒形でずんぐりとしていますが、太さは栄養状態によって変化するとされています。

尾は太く短く、四肢も短めで頑丈なツメがついています。

体背面を覆っているウロコは粒状で細かく、体の色はピンクで黒の横帯があり非常に派手ですが、砂や小石が多い砂漠だと保護色になります。

 

食性は動物食で、鳥の卵やヒナなどの他にもトカゲやカエル、死んだ動物の肉なども食べます。

時には大好物の鳥の卵を食べるために、高い木に登ることもあります。

重たそうに見えますが、手足を器用に使って木や岩をよじ登ります。

 

主に日没の頃に動き回ることが多く、昼間はほとんど岩のすき間や地中で寝ているため、なかなかお目にかかることはできません。

新陳代謝が非常に低いため、トカゲの中でも走る速さが1番遅いとされており、実にゆっくりと歩きまわります。

 

5月頃に繁殖活動を行うと、7~8月にかけて1~12個の卵を産みます。

繁殖生態は卵生で、9~10ヶ月で孵化します。

生まれた幼体は15cmほどで、およそ3~5年ほとで性成熟します。

 

アメリカドクトカゲは一生の95%近くを地下で過ごすために、人の目にふれることも極めて少ないトカゲです。

そのため愛好家たちの間では、有毒種でありながら是非見たいと思われている珍しい存在なのです。

冬眠から出て来る2~3月ごろは、昼間でも活発に活動するため、1年で1番見れるチャンスが多い時期だそうです。

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性格は大人しく臆病

アメリカドクトカゲは、危険を感じると口を大きく開けて、ガスを噴出するような喚起音をあげて威嚇してきます。

しかし、性格は非常に臆病で他の大きな動物や人間が近づくと、静かに木の根の穴や岩のすき間に入り込んで、動かずに天敵が通り過ぎていくのをじっと待っています。

 

万が一、ばったり出くわしてしまった場合でも、アメリカドクトカゲの方から離れていってくれるようです。

かといって、しつこく追いかけまわしたり、挑発したりするのは止めましょうね。

 

アメリカドクトカゲの毒性

アメリカドクトカゲ

出典:wikimedia

アメリカドクトカゲの毒は神経毒です。

咬まれると、激しい痛みを伴って、めまい吐き気などの症状が出ることがあります。

しかし、その毒性は死に至るような強いものではないようで、これまで死亡事例も報告されていません。

 

上顎の唾液腺で毒を作り、牙から毒液を噴出する毒ヘビとは違い、アメリカドクトカゲの毒は下顎にある唾液腺で作られます。

そして獲物に噛み付いた時に、歯の溝から毒を送り出すのです

 

大人しいと言っても、いつ攻撃してくるかわかりませんので、毒トカゲだと言うことを忘れずに行動しなければいけませんね。

 

毒から糖尿病薬の開発

アメリカドクトカゲの唾液に含まれている毒(タンパク質を原料とする合成物質)は、現在では人間の糖尿病の治療薬としても利用されています。

有毒種でありながらも、一方では有益な役割を果たしているのです。

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絶滅の危惧

近年、アメリカドクトカゲの生息地が人間の開発によって減少してきました。

それに伴い個体数が減少し、現在では米国動物保護法の「絶滅危惧種」に指定されています。

毒を持つ珍しい種である、アメリカドクトカゲとメキシコドクトカゲは、2種とも絶滅危惧種となっています。

ドクトカゲは珍しい有毒種でありながら、一方では絶滅危惧種として保護されているという存在なのです。

 

アメリカドクトカゲを絶滅危惧種にまで追い込んだのは私たち人間にほかなりません。

そんな彼らに命を助けてもらっていることを肝に銘じながら、今度は私たち人間がアメリカドクトカゲのためにできることをしていかなければなりませんね。

 

まとめ

アメリカドクトカゲは、アリゾナとメキシコの砂漠や乾燥した荒地に生息している、有毒種のトカゲです。

大人しい性格ですが神経毒を持っているため、咬まれると激しい痛み、めまいや吐き気を感じます。

一方その毒は、糖尿病の薬として利用されており人間にとって有益な一面もあります。

しかし、その個体数は減少傾向にあり、現在では米国動物保護法の「絶滅危惧種」に指定されています。

 

ちなみに、ペットとして飼うことも可能ですが、日本では特定動物に指定されているため、飼育には許可が必要となっています。

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