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マダラトビエイの生態や特徴、毒棘の危険性について

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水族館の人気者であるエイ。

大きな水槽の中をゆったり優雅に泳ぐ姿にはとても癒されますね。

エイと言えば胸ビレをひらひらとさせている扁平な体に細長い尾が特徴的ですが、その細長い尾に毒棘を持つ種類がいます。

今回はそんな毒棘を持つエイの仲間である、マダラトビエイの生態や特徴、毒棘の危険性についてみていきたいと思います。

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マダラトビエイの生態

マダラトビエイ

まずはマダラトビエイの生態についてご説明します。

 

マダラトビエイは、トビエイ科マダラトビエイ属の一種で、熱帯から亜熱帯地域に生息しています。

日本における主な生息地は紀伊半島あたりから琉球列島にかけてで、水深80m以浅やサンゴ礁域の外縁、岩礁域の表層付近を泳いでいることが多いです。

 

マダラトビエイは昼行性で、昼間に餌となる甲殻類や貝類を捕食しながら活動しています。

基本的には群れで生活しており、多いときには300尾近く集まることもあるようです。

群れで泳ぐ姿はとても美しいですが、非常に用心深い性格のためダイバーなどが近づくのは難しいとされています。

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マダラトビエイの体の特徴

マダラトビエイは大型のエイで体長2m前後になる個体が多く、大きい個体だと5m近くになることもあります。

 

エイといえばその大きな胸ビレです。

体盤の輪郭はひし形で平べったく、体と一体化した三角形の胸ビレと腹ビレ、細長い尾を持ちます。

 

体の先端部分には、アヒルのクチバシのような尖った吻(ふん)と呼ばれるものがあり、この吻を使って砂の中の餌を探します。

そして、マダラトビエイの歯は非常に頑丈で、上下それぞれがくの字型に結合して一枚の分厚い板のようになっています。

この歯で甲殻類や貝類の殻を噛み砕くことによって中身を食べることができるのです。

歯は生えかわることができるので、古くなって欠けたりすると積極的に岩などをかじって古い歯を落としていくようです。

 

体色は体盤の腹面は白色ですが、背面には茶褐色の地に白色斑点があり、この斑点模様が“マダラ”の由来となりました。

 

斑点模様のある大型のエイが泳ぐ姿はとても美しいため、マダラトビエイは水族館で展示されることも多いです。

 

マダラトビエイの繁殖

出典:opencage.info

マダラトビエイの繁殖方法についてですが、エイの仲間は卵胎生です。

卵胎生とは、母親の体内で卵から孵化し、卵黄を栄養源としてある程度成長してから母親の体外に産みだされる形態です。

エイだけではなく、同じ軟骨魚類であるサメも一部を除きこの卵胎生になります。

 

繁殖期になると、交尾を行って体内受精をさせ、メスは1年の妊娠期間を経て数尾の子どもを出産します。

 

マダラトビエイは自然界でも見ることができますが、現在準絶滅危惧種に指定されています。

そのため、水族館ではマダラトビエイの繁殖にも力を入れているようです。

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天敵はサメ!

大きな体で優雅に泳ぐマダラトビエイ。

このマダラトビエイの天敵と言えばサメです。

マダラトビエイだけでなく、ほとんどのエイにとっての敵となりますが、特にシュモクザメ、オオメジロザメ、イタチザメといった種類のサメに襲われます。

シュモクザメについては、T字状の頭でエイを海底に抑えつけたのちに頭部を殴って食べるようです。

 

その他のサメについても、頭部に噛みついて襲うことが多く、エイの毒棘はサメには効きません。

メスの出産時を狙って子どもを食べてしまう場合もあるので、マダラトビエイにとってサメは脅威の存在と言って良いでしょう。

 

マダラトビエイの毒棘

マダラトビエイ

出典:opencage.info

さて、それではマダラトビエイの持つ毒棘についてみていきましょう。

 

マダラトビエイだけではなく、ほとんどのエイは細長い尾の付け根に毒棘があります。

棘の先端は尖っており、端っこはのこぎり状になっているため刺されると抜きにくくなります。

 

毒棘は自己防衛のためにあるとされていますが、先ほども述べたとおり用心深い性格のため、人間を襲ってくることはまずありません。

しかし、何かの際にうっかり触れて毒棘が刺さってしまうことがあるのです。

 

棘は鋭いため、ウェットスーツや長靴を貫通してしまいます。

ダイビングの際にマダラトビエイを見かけても、不用意に近づかないようにしましょう。

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刺された時の症状と対処法

もしこの毒棘に刺されたら、すぐに激痛が走り痛みは長時間続きます。

このほかに発熱腫れ吐き気めまい呼吸困難といった症状も起きます。

 

もしマダラトビエイが暴れたりしたら、傷口が広がり重症化することがあります。

また、毒棘が体内に残ってしまうこともあります。

 

もし刺されてしまったら、まず棘が残ってないか確認をし、傷口を洗い流しながらできるだけ毒を絞り出しましょう

毒はタンパク毒であるため、40℃~45℃のお湯に30分以上つけると不活化されて痛みが和らぎます。

 

海外では死亡例もありますので、刺された場合は応急処置だけではなく病院を受診してください。

 

まとめ

マダラトビエイは世界中の温かい海に生息する、大きいと5m近くにもなる大型のエイです。

水族館やダイビングでも人気のマダラトビエイですが、尾の付け根には毒棘があり刺されて死亡した例もあります。

万一刺されたら、40℃~45℃のお湯に患部を浸けることで痛みを和らげることができます。

 

もし海の中で、大きなマダラトビエイの群れに遭遇したら、その壮大な光景から近づきたくなるかもしれませんが、危険性もある事を忘れずに離れて観察するようにしましょうね。

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