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危険なネコ科動物

ウンピョウの生態や特徴、絶滅の危惧について

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ウンピョウは、とても美しい模様をもつ動物として知られています。

しかし、人間に害を及ぼすとして特定動物に指定されており、危険な動物としての一面もあるのです。

美しさと危険性を併せ持つウンピョウとは、どのような動物なのでしょうか。

今回は、ウンピョウの生態や特徴、絶滅の危惧についてご紹介させていただきます。

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ウンピョウの生態

ウンピョウ

出典:opencage.info

ウンピョウは、食肉目ネコ科ウンピョウ属の動物です。

別の呼び名として、「タカサゴヒョウ」や「タイワントラ」と呼ばれることもあります。

 

ウンピョウの生息地は、インド北東部や東南アジア、中国南部などです。

主に奥深い森林地帯の中で生活しており、その他にも、湿地帯や沿岸の森に姿を見せることがあります。

また、3000mを越える高地の森でも生活できます。

 

野生化において、繁殖をはじめとしたウンピョウの生態については、未だ謎な部分が多いようです。

飼育下においては、メスは1年に1度2~4匹の赤ちゃんを出産します。

2年ほどで大人のウンピョウとなり、飼育下での寿命は15年ほどだそうです。

 

 

ちなみにウンピョウは、見た目がヒョウに似ていることや、名前にヒョウと入っているためヒョウの1種と思われがちですが、ヒョウの1種ではないのです。

ウンピョウは、ネコとヒョウの中間のような動物で、ネコ科ウンピョウ属となります。

この種のみでウンピョウ属であり、名前にヒョウとついてはいても、ヒョウとはまったく別の、ウンピョウという動物なのです。

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ウンピョウの特徴

体長は60~100cm、体重は16~23kgと、他の大型ネコ科動物のヒョウなどと比べると小柄な方です。

 

体色は暗い灰色か黄褐色で、そこに黒く不定形な斑紋、斑点、縞などが入ります。

ウンピョウの最も大きな特徴が、この体の模様です。

その模様はまるで雲のようで、とても美しく見えることで有名です。

ウンピョウとは、漢字で書くと「雲豹」ですから、雲の豹というわけです。

ウンピョウ

出典:wikipedia

そして、もうひとつの特徴は、長い犬歯です。

ネコ科の動物では最も長いとされる立派な犬歯をもっており、その長さは、根元の幅の約3倍にもなります。

これは、絶滅したサーベルタイガーとの関係を示唆する説もあるのです。

ウンピョウの危険性は、この犬歯によるところも大きいのですね。

 

また、ウンピョウは、ヒョウやトラなど他のネコ科動物のように吠えることはできません。

これは、舌の構造が異なるためです。

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ウンピョウの狩りと食性

ウンピョウは肉食性で、シカ、イノシシ、スイギュウ、ヘビ、サル、鳥などを捕食しています。

スイギュウのような大きな動物にも襲い掛かることから、比較的小柄とはいえ、やはり攻撃力は高いことがわかりますね。

 

その一方、身軽さを活かして木の上の獲物を襲うこともあり、鳥やサルなども好んで食べます。

木の上から地上の獲物を狙うことも多く、通りかかったところを不意打ちする戦法で仕留めます。

ウンピョウ

出典:wikimedia

このように、ウンピョウはとても木登りが上手い動物です。

後ろ脚で枝を掴み、サルのようにぶら下がることもできるのです。

また、泳ぐのも上手いため、魚を捕って食べたりもします。

 

ウンピョウは夜行性なので、これらの狩りは基本的に夜に行われますが、昼間に活動することもあるようです。

また、群れはつくらず、単独で行動します。

ウンピョウ

出典:flickr

そして、狩りの中では、まれにヤギなどの家畜を襲うこともあり、その際は人が住んでいる地域に現れます。

人間に向かって牙をむくことは少ないとされるウンピョウですが、何かすれば当然、反撃してきます。

なにしろ、サーベルタイガーを思わせる恐ろしい牙をもち、大型の動物も倒すほどの力がありますから、人間ではとても相手になりません。

命をかけて手を出したりはしたくないですね。

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ウンピョウの危険性と絶滅の危惧

ウンピョウは、基本的に臆病な性格なので、こちらから手を出したりしなければウンピョウが人を襲うことはありません。

 

しかし、人間はかなり積極的にウンピョウを狩ってきました。

それは、雲のような美しい模様があるためです。

この毛皮を目当てに、1960~1970年代は、ウンピョウが大量に狩猟されていました。

狩猟の目的には、その長い牙も含まれます。

 

他にも、漢方薬やペットとしての価値を見出され、ウンピョウの狩りはどんどん加速していきました。

さらに、ウンピョウの生息域は環境破壊が激しい地域が多く、これが個体数の減少に拍車をかけています。

そうして多くのウンピョウが命を落とし、現在は絶滅危惧種に指定されるまでになったのです。

 

そのため、野生のウンピョウはほとんど見つけることができなくなりました。

台湾に至っては、すでに絶滅しています。

 

各国で保護するための活動が行われていますが、違法な狩猟は今もなくなりません。

また、トラが減少したことで、ウンピョウが違法取引の新たな標的となっていることも問題です。

 

このように、ウンピョウを取り巻く状況はかなり厳しく、個体数は今も減り続けています。

これはとても残念なことですね。

 

まとめ

ウンピョウは、インド北東部、東南アジア、中国南部などの森林に生息するネコ科の動物です。

雲のような美しい模様と、長い犬歯がウンピョウの特徴です。

ウンピョウの戦闘能力は高いので、人間が襲われれば、まず命はないでしょう。

しかし、臆病な性格で人を襲うことは滅多にないとされています。

 

ウンピョウは日本の動物園で見ることもできます。

なんといっても貴重な動物ですから、興味がある人はぜひ行ってみましょう。

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