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危険なイヌ科動物

ディンゴ(犬)の生態や危険性について

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「ディンゴ」という動物をご存知ですか?

日本ではあまり馴染みがないので、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。

見た目はちょっと大きい犬のような風貌、顔の幅は広く鼻先は細め、長い犬歯と扁平な頭が特徴です。

見方によってはオオカミにも見える…。いいや、犬やオオカミより少し大きい?

一見やさしそうに見えますが、その性格は驚くほど獰猛で時として人間に牙をむくことも!

そんな見た目とのギャップがあるディンゴ、いったいどんな動物なのでしょうか?

今回は、ディンゴ(犬)の生態や危険性についてご紹介させていただきます。

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ディンゴの生態

ディンゴ

ディンゴは、食肉目イヌ科の野犬の一種です。

主に、タスマニア島を除くオーストラリア全土の砂漠、草原、森林に生息しています。

もともとはアボリジニに飼われていましたが、野生化することによりオーストラリア全土に生息域を広げていきました。

 

体長100㎝ほど、体重15kgほどで、多くは黄褐色の体毛と直立した耳を持ちます。

中型~大型犬程の大きさの為、もしかして日本にいたら本当に犬だと間違えられるでしょうね。

大きい柴犬のような風貌で、ピンとたった耳が立っていると想像しやすいかもしれません。

ですが、柴犬よりはだいぶキツイお顔立ちをしています。

ディンゴ

コミュニケーションとして遠吠えや鼻音出すことがありますが、飼い犬のように吠えることはありません。

昔はアボリジニのキャンプで飼われており、残飯の処理や抱いて寝ることで毛布代わりにもしていたそうです。

 

ディンゴは社会性が高く、一定数で群れを作り縄張りを張って住みます。

かつてオーストラリアでは、フクロオオカミとディンゴが生態的地位で競合した結果、フクロオオカミが絶滅し、ディンゴが生き残りました。

フクロオオカミは単独で狩りをすることに対し、社会性の高いディンゴは群れで狩りをおこないます。

チームワークを駆使して戦いを挑むことによって弱肉強食の世界で生き残れたのかもしれません。

 

ディンゴは肉食性であり、カンガルー、ワラビー、ヒツジ、ウサギ、牛などを食べています。

また、果実や植物を食べる事もあるようです。

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性格

野生のディンゴは獰猛な性格をしており、家畜や人間が襲われたという例もあります。

また、群れの中で優位な立場にいるメスは、自身の群れに生まれた赤ちゃんを殺してしまう事があるそうです。

こうなるともはや社会性が高いんだか低いんだかわからないですね・・・とりあえず怖いです。

 

ディンゴの呼ばれ方

ディンゴ

ディンゴには複数の呼称がありますが「ディンゴ」と呼ぶのがもっとも一般的です。

オーストラリアでは「ワイルド・ドッグ」と呼ばれることも多々あり、単純に野良犬って意味ですね。

ディンゴと検索すると検索ワードに「ディンゴ 野犬」と出るのはこのためかも知れません。

 

他にも、「オーストラリア犬」や「オーストラリアオオカミ」と呼ばれることもあります。

 

ディンゴはもともとポート・ジャクソン湾のアボリジニの一部が家畜として飼育していました。

その犬に対してTingoと呼ばれていた事から現在の「ディンゴ」になりました。

アボリジニ族もたくさんの種類があるので部族によりディンゴの呼ばれ方も異なります。

その種類はなんと14種類以上。

様々な呼称を持っている生物だと言えるでしょう。

 

ペットとしてのディンゴ

オーストラリアの法律では、野生動物であるディンゴを飼うことは禁止されています。

ですが、雑種の犬ということにして内緒で飼っている人も多々いるようです。

 

野生のディンゴは、絶対に人になつかないと言われています。

しかし、犬のように赤ちゃんのころから飼育したら人になついてくれるそうです。

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ディンゴ・フェンス

前述したようにディンゴは肉食性であり、ヒツジなどの家畜を襲う事もあります。

被害の多い牧場だと、年間1万頭以上ものヒツジがディンゴによって殺されていたそうです。

その被害を阻止するため、オーストラリア南東部には全長5614kmものフェンスが設けられています。

このフェンスは、ディンゴ・フェンスやドッグ・フェンスと呼ばれています。

 

ちなみに、フェンスを閉め忘れた人には罰金刑が科せられ、フェンスを越えたディンゴは射殺されてしまうそうです。

 

ディンゴの危険性

ディンゴ

ディンゴは時として、家畜だけでなく人間にもその牙をむきます。

 

一番有名な事件は、1980年エアーズロック近くのキャンプ場で生後間もない女児が行方不明になった事件です。

母親が殺害したとして逮捕され終身刑を言い渡されますが、母親本人は一貫して無実を主張していました。

そして、30年以上経った2012年、地元検視当局は女児がディンゴにさらわれて死亡したと判断しました。

逆転無罪になった要因は、女児の着衣がディンゴの生息地で見つかったことです。

30年もの間、子供を殺したといわれ続けた母親の気持ちを考えるととても辛くなりますね。

生後間もなくして、この世を去ることになった赤ちゃんも本当にかわいそうです。

 

2001年には、フレーザー島で9歳の少年が2頭のディンゴに襲われて死亡するという事件も起きました。

 

これら以外にも、人間が襲われたり食い殺されるという被害の例はあります。

動物だけでなく人間に対しても牙をむくディンゴ、犬歯は鋭く殺傷能力も高いので本当に怖いですね。

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絶滅危惧種?

ディンゴは、イエイヌとの繁殖が可能であり、現在ではイエイヌとの交雑種が非常に多くなっています。

そのため純血のディンゴの数は減少しています。

 

純血のディンゴは確認されているもので30匹程度しかおらず、それらは保護施設に収容されています。

純血種が非常に少ないという点では、ディンゴは絶滅危惧種なのかもしれません。

 

まとめ

ディンゴは、オーストラリアに生息する野犬です。

肉食性であり、家畜のヒツジを襲うためオーストラリア南東部には全長5614kmものフェンスが設けられました。

子供の頃から世話をすれば人間にもなつくようですが、野生のディンゴはとっても気性が荒く獰猛です。

人間が襲われ死亡した例もありますので、オーストラリアにご旅行の際には十分注意してくださいね。

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