危険な哺乳類

オオアリクイは人を襲う?生態や天敵、危険性について 

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オオアリクイといえば「好きな食べ物は?」と訊いたら「アリ!」と即答するイメージがありますね。

2006年には「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」という、奇妙でありながら謎に満ちたタイトルのスパムメールが流行りました。

受け取った方も多いのではないでしょうか。

はたして、オオアリクイは本当に人間を殺すのか…?

今回の記事では、オオアリクイの生態や天敵、危険性について解説します。

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オオアリクイとは

オオアリクイ

オオアリクイは、有毛目・アリクイ科・オオアリクイ属に属する哺乳類です。

オオアリクイ属にはオオアリクイ1種のみ存在しています。

学名は「Myrmecophaga tridactyla」、英名は「Giant Anteater」、和名は「オオアリクイ」です。

 

分布域、どんな場所に生息している?

オオアリクイ

オオアリクイの分布域は、中央・南アメリカです。

中央アメリカは、ホンジュラス・ニカラグア・パナマ、

南米は、コロンビア・ベネズエラ・ガイアナ・スリナム・ギアナ・エクアドル・ペルー・ブラジル・ボリビア・アルゼンチン・パラグアイ

などです。

 

生息環境は、草原・密林・熱帯雨林・湿地・泥沢地帯などです。

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体の特徴

オオアリクイの体長は100~130㎝、シッポの長さは65~100㎝、体重は18~40㎏、アリクイの仲間では最大種になります。

出産直後の子どもは、体重1.3㎏ほどです。

 

体毛は、黒色・暗褐色・褐色・白色などで、肩から前足にかけてがやや白っぽい配色になっています。

細長い体形で、吻(ふん)以外の体には荒くて長い毛が生えていて、シッポの房状の長い毛が特徴的です。

吻と呼ばれる口は、餌のアリを食べやすいように細長くなっています。

 

オオアリクイには歯がなく、口もほとんど開けません。

餌となるアリが食べやすいように、舌は60㎝と体長の半分ほどにも細長くなり、粘着質の唾液で覆われています。

ちなみに、哺乳類で1本も歯がないのはアリクイだけです。

虫歯も歯周病も気になりませんね。

 

細長い体や口に対して、目や耳は小さく、横顔はまるでゆるキャラのように愛嬌があって個性的です。

小さい目は視力が低いのですが、代わりに嗅覚が発達しています。

餌のアリはカロリーが低いため、体温は32.7℃、代謝能力が低い哺乳類になります。

 

10㎝ほどある前足の4本爪は破壊力があり、その力強さはジャガーやピューマといった猛獣すら恐れるほどです。

歩くときは爪を内側に曲げます。

5本目の爪は退化していて、外からは見えません。

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オオアリクイの生態

オオアリクイはアリやシロアリが好物なのは有名ですね。

前足の爪でアリ塚や朽ち木を壊して、中にいるアリを細長い舌で舐めるようにして食べます。

食べられるアリの数は、なんと1日3万匹

1分間に150回も舌を出し入れして食べまくります。

さすがに3万匹という数を目の当たりにすると「アリさんがんばれ!」と叫びたくなりますね。

 

ただ、雑食性なので、昆虫・幼虫・果物など、アリ以外の物も食べています。

オオアリクイ

出典:wikimedia

ちなみに、動物園では3万匹のアリを用意できないので、代用食を作ります。

馬肉ミンチ・ドッグフード・ペット用粉ミルク・卵・ヨーグルトといった食材を、お湯と一緒にミキサーにかけ、ドロドロにしたものを与えています。

別の動物園では、鶏肉・牛レバー・リーフイーター用ペレット・キャットフード・冷凍アリなどをブレンドしていますね。

動物園によって食材の配合が違いますが、オオアリクイは長い舌で美味しそうに舐めて食べます。

 

オオアリクイは地上性で、昼夜を問わず活動していて、子育て中の母親以外は単独行動をしています。

人間が多いエリアでは、夜行性となります。

地面に浅い巣穴を掘るか、使われなくなった巣穴を利用して、体を丸めて1日14~15時間ほど眠ります。

意外にも泳ぎが得意ですよ。

 

オオアリクイの飼育下での寿命は15年ほどで、31年以上長生きした個体もいると報告されています。

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繁殖の方法

オオアリクイは2歳半~4歳ほどで繁殖が可能になります。

メスは、飼育下では180~190日の妊娠期間の後、1回の出産で1匹の子供を産みます。

赤ちゃんは1週間ほどで目が開きますが、産まれた直後はまだ目が見えません。

特徴的な長い毛はすでに生え揃っています。

授乳期間は6ヶ月ほどで、子どもは6~9ヶ月間は母親の背中に乗っていて、その後2年ほどで母親から独立します。

 

ちなみに、実は野生下のオオアリクイの繁殖については未だ詳しく知られていません。

 

オオアリクイは危険な動物?

オオアリクイ

出典:wikimedia

オオアリクイは本来、大人しい動物です。

他の動物に出会っても、知らん顔をするか、逃げるかして、基本的に争うことはしません。

 

危険を感じた際の威嚇行動は、シッポを支えにして後ろ足で立ち、前足を広げます。

それでも相手が逃げない場合や、オオアリクイ自身が襲われると、爪で攻撃をしたり、敵に抱きついて締め上げます。

前述しましたが、オオアリクイの前足の4本爪は非常に強力でなものです。

 

・2007年、アルゼンチンの動物園で19歳の女性飼育員がオオアリクイに襲われて死亡するという事件が起きました。

・また2014年には、ブラジルで猟師2名がオオアリクイに襲われたことで死亡した報告があります。

 

オオアリクイは基本的には大人しい動物ですが、人間を殺せるほどの力がある事も事実のようです。

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天敵と絶滅の危惧

オオアリクイの天敵には、ジャガーピューマが挙げられます。

 

オオアリクイは、絶滅危惧種に指定されている動物です。

森林開発といった環境破壊により、生息地が減少したことで、生息数が減っています。

また、毛皮目的で狩猟の対象とされたこともあります。

最近では、自動車との事故で命を落とすオオアリクイも多くいます。

猛獣すら恐れるオオアリクイにとって、一番の天敵は人間かもしれませんね。

 

まとめ

オオアリクイは中南米に生息する動物です。

名前の通りアリを好み、1日で3万匹ものアリを食べます。

 

人が多い地域のオオアリクイは、人間との衝突を避けるために夜行性になります。

それでも生息地が減少してしまい、ブラジルで猟師を攻撃してしまったのですね。

死んでしまった方は気の毒だと思いますが、オオアリクイは本来危険な動物ではないことを知ってもらいたいです。

一度減少してしまった自然を回復するのは難しいですが、私たち日本人にできることは、オオアリクイの生息地に関心を持つことです。

豊かな自然を持つことが生息地となる国々の収入源になれば、少なくともこれ以上の環境破壊は防げますよね。

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