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ブチハイエナの生態や危険性について

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サバンナを生きるハイエナ。

ハイエナの仲間で一番体格が大きいのはブチハイエナで、体長は最大で180cmにも及びます。

ハイエナと言うと死肉に群がったり、他の動物から餌を横取りする卑怯者というイメージがありますが、実はそうではないということを前回お話ししました。

今回はそんなハイエナのうち、ブチハイエナの生態や危険性についてさらに詳しく見ていきたいと思います。

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ブチハイエナとは

ブチハイエナ

出典:wikimedia

ブチハイエナは、食肉目ハイエナ科ブチハイエナ属に属す肉食獣で、本種のみでブチハイエナ属を構成します。

ブチハイエナの鳴き声は人間の笑い声に似ているため、“笑いハイエナ”という異名を持ちます。

 

生息地は、アフリカ大陸のサハラ砂漠以南にあるサバンナや半砂漠地帯、岩場などです。

場所によっては、標高4000m近い場所でも見かけることがあるようです。

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体の特徴

ブチハイエナは体長100~180cm、体重40~85kg、尾長20~35cm程度とハイエナの中では一番大きく、哺乳類としては珍しくメスのほうがオスよりも体が一回り大きいです。

体は粗く短い体毛で覆われており、毛色は褐色や灰褐色で胴体から脚にかけて不規則な黒色斑点があります。

首が長く、丸く大きな耳があります。

また、前肢よりも後肢のほうが短いため、体は後半身に向かって少し下がっています。

 

ブチハイエナの特徴として、メスには擬ペニスや睾丸のようなものが存在します。

擬ペニスは排尿や膣、出産時の産道を兼ねています。

非常に細い産道を通るため、出産は命がけで第1仔の多くは亡くなってしまうようです。

なぜオスのような外性器になったかについては、メス優位の社会を作り上げていくうえでアンドロゲン濃度(雄性ホルモン)が高まったためと考えられています。

ブチハイエナ

ブチハイエナに繁殖期はなく、メスは2週間おきに発情してオスと交尾を行います。

約110日の妊娠期間を経て、メスは平均2仔の赤ちゃんを出産します。

なお、ブチハイエナの野生化における寿命は30年近くと言われています。

 

生態

ブチハイエナ

彼らは夜行性で、昼間は岩陰や巣穴で休んでいます。

夜になると活動を始め、少数の群れで狩りに出かけます。

 

ハイエナは他の動物の食べ残しを食してばかりなイメージがありますが、基本的には自分たちで獲物を捕らえます。

ブチハイエナは嗅覚、聴覚、視覚が非常に発達しているため、夜であっても遠く離れた場所にいる獲物の存在を知ることができるのです。

脚力と持久力にも優れ、時速65kmの早さで数kmも走ることができるため、狩りの成功率は他の動物よりも高いです。

ブチハイエナ

 

ブチハイエナが捕らえるのは、主にシマウマやヌー、インパラといった草食獣です。

ヤマアラシやサイやキリンの子ども、群れで協力すれば水牛といった大型哺乳類も捕らえることができます。

また、雑食性があるため、魚類や爬虫類、鳥類、昆虫類や果実といったものまで食すことがあります。

 

ハイエナの顎は非常に強力で、捕らえた獲物は骨まで食べることができます。

そして、食べた骨まで消化できる内臓も持ち合わせているのです。

ブチハイエナは捕らえた獲物だけではなく他の動物が食べ残した死肉も食しますが、ハイエナが通った場所には骨一つ残らないため、“サバンナの掃除屋”と言われるようになったのです。

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仲間意識が強い動物

ブチハイエナはクランと呼ばれる群れを作ります。

クランはメス中心の社会で構成され、基本的には家族単位で作られるため2~5頭の群れになることが多いです。

しかし、多いときには15~80頭近い大きな群れとなることもあります。

クランの社会性は非常に高く仲間意識が強いです。

捕らえた獲物はみんなで分け合い、傷ついた仲間がいればみんなで世話をします。

彼らは、仲間同士のコミュニケーションのために鳴き声を使い分けています。

確認できているだけでも12種類あり、外敵に出会ったとき、そして攻撃を受けたとき、かつての仲間に出会ったときなど、状況に応じてさまざまな声を発しているのです。

このように、普段から仲間同士のコミュニケーションをとって団結を深めているため、厳しいサバンナで生き抜いてこれたのでしょう。

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ブチハイエナの危険性と人間との関わり

それでは、ブチハイエナと人間との関わりを見ていきましょう。

ブチハイエナは肉食獣であるため、アフリカの人々にとっては当然ながら危険な動物です。

 

ブチハイエナは人間も襲うことがある動物です。

とはいえ、健康な成人男性がいきなり襲われることはあまりありません。

大抵襲われるのは、子どもやお年寄り、弱そうな女性、ケガ人など、すぐに捕らえられそうな人間です。

ケニアやタンザニアに住んでいるマサイ族は、人間の遺体を放置してあえてハイエナに食べさせているという話もあります。

 

また、眠っている人が襲われる被害も多いようです。

アフリカでは夏、あまりの暑さにベランダなどの屋外で就寝する人がいるそうです。

しかし、そんな無防備な状態の人間をブチハイエナは嗅ぎつけ、容赦なく襲いかかり骨まで食べ尽くしてしまうのです。

 

前述したようにブチハイエナの顎力は強力であるため、たとえ命は助かっても噛みつかれた箇所は食いちぎられてしまいます。

ブチハイエナに襲われたら最後、無傷で助かることはほとんどないと言えるでしょう。

ブチハイエナ

 

このように危険視されているブチハイエナですが、家畜や作物を荒らす害獣という意味でも嫌われています。

地域によっては大量に駆除を行ったところもあります。

ブチハイエナは毛皮の価値もないため、狩猟としてはあまり人気がありません。

ただ単に害獣扱いされて殺されてしまうのです。

どんなに賢く優秀なハンターでも、人間の銃が相手ではかないません。

今のところブチハイエナは絶滅の心配はないものの、人間の身勝手な行動による生息数の減少が気になるところです。

 

まとめ

社会性が高く賢いブチハイエナ。

彼らの生態を見ていると、厳しいサバンナで生き抜いていける理由が分かる気がします。

彼らの外敵と言えばもはやライオンしかいない状態です。

ハイエナにとってライオンは、獲物を横取りする厄介な存在です。

そして体格差もあるため、ライオンに殺されてしまうブチハイエナも多いようです。

ライオンとの対立は今後も続いていくことと思いますが、ライオンによる被害を少しでも減らせるように知恵を絞ってほしいですね。

 

そして、ライオンだけではなく、ブチハイエナにとっては人間も恐らく脅威の存在になるかと思います。

現在、駆除だけではなく森林破壊などによる生息地の減少も問題になっています。

生息地の減少は、ブチハイエナに限らず多くの野生動物に降りかかる問題です。

これ以上野生動物の棲みかを奪わないよう、私たち人間も考えていかなければならないでしょう。

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