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グレート・デーンの性格や特徴、危険性と事件について

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スマートで無駄のない体形が特徴的なグレート・デーン。

逞しい風貌をしていますが、しつけができて運動不足にならないように飼えれば、家庭犬にもなる超大型犬です。

しかし、飼い主がしつけを怠ると、この超大型犬をいざという時に制御できず事件を起こしてしまう危険性もあります。

今回の記事では、グレート・デーンの性格や特徴、危険性と事件について解説します。

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グレート・デーンとは

グレート・デーン

グレート・デーンはドイツ原産の超大型犬です。

ドイツの犬と言えばグレート・デーンとされるほどドイツでは有名な犬種で、1880年に犬種のスタンダードと定められてからはドイツ語で「ドイチェン・ドッゲ」と呼ばれています。

ドイツ原産の犬ですが、一時期は「デニッシュ・ドッゲ(デンマークの犬)」とも呼ばれていました。

 

ルーツ

グレート・デーン

グレート・デーンのルーツですが、17世紀ごろにドイツ土着の犬とマスティフが交配して生まれた犬とされます。

いわゆる雑種犬扱いだったのですね。

そのため、当時は使役する(犬に与える仕事)内容や、被毛の色によって、いくつかのタイプが存在していました。

犬種として固定するまでは雑種扱いでしたが、とは言え、非常に能力の高い犬であったので、猟犬・軍用犬として人間と共によく働き、人間を助けてきました。

1891年には、ドイツでグレート・デーンのより細かなスタンダードが定められましたが、この決まりは数年ごとに細かく変更されています。

グレート・デーン

2013年にはアメリカの飼育頭数ランキングの16位になるほどの人気の犬種になりました。

ちなみに、1965年にはアメリカのペンシルベニア州の州犬にもなっています。

アメリカは土地が広いので、飼いやすい犬種であれば、超大型犬も受け入れられて広く愛されるようですね。

日本には明治頃に輸入され、土佐犬などの品種改良に使われました。

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体の特徴

グレート・デーンの特徴は何と言っても体長と体高がほとんど同じということです。

超大型犬ですが、その姿は非常にスマートで優雅であるため「強さと美しさのシンボル」として上流階級に愛され、「犬の中の太陽神アポロン」と評されるほどです。

 

体高はオスが80㎝以上・メスが72㎝以上、体重はオスが54~90㎏・メスが45~68㎏にもなります。

前足がまっすぐという特徴があります。

2004年にはカリフォルニア州のギブソンという犬が体高107㎝で、ギネスブックにも載りました。

グレート・デーン

被毛の色は、フォーン・ブリンドル・ブラック・ブルー・マント・ハールクインです。

マールは認められません。

 

頭頂部とマズルにはハッキリとしたストップ(段差的なもの)があります。

歯はシザーズ・バイトと呼ばれる、ハサミのようなかみ合わせです。

 

耳は本来たれ耳ですが、長めに断耳することで立ち耳になります。

グレート・デーンの画像を見てみると、たれ耳と立ち耳、両方いるのでちょっと困惑しますよね。

尻尾は断尾しないので、かかとにつくほどの長いままです。

 

超大型犬であるため、寿命は7~10年ほどになります(犬は大きい犬種ほど短命)。

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性格

グレート・デーンの性格は、イノシシのような害獣にも立ち向かう勇敢さと、穏やかな性格を持ち合わせています。

それと言うのも、繁殖を重ねていく中で、ブリーダーたちは辛抱強い性格の犬や、人間に対して服従心の強い犬を掛け合わせてきたからです。

 

逞しい風貌ですが、意外にも「優しい巨人」と呼ばれるほど温厚とされ、家族である人間に対してもフレンドリーなのです。

ただ、家族以外の人間にはあまり心を許してはくれないあたり、猟犬の血が濃く残っているのかもしれませんね。

また、昔から人間に寄り添い生きてきた犬種であるため、コミュニケーションを取ることが大切なので人間のそばで飼育することがベストと言えますね。

 

グレート・デーンの危険性

グレート・デーン

グレート・デーンは頭が良く、温厚な性格ですが、飼い主のしつけができていなければ、この超大型犬をいざという時に制御できません。

このため、茨城県ではグレート・デーンを特定危険犬種に指定しています。

したがって、茨城県で飼育するには、オリの中で飼うなどの条件が必要になります。

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過去の事件

上記でも述べましたが、グレート・デーンはとても大きな犬であり、凶暴なイノシシを相手にできるくらいです。

正しくしつけができなければ当然のことながら暴走しても止めることができません。

ましてや女性や小さい子供ならなおさらです。

残念ながら、過去にグレート・デーンが死亡事件を起こした記録もいくつかあります。

 

・2003年、アメリカのサウスカロライナで2歳の女の子が殺されてしまいました。

 

・2016年、アメリカのサンディエゴで生後3日の赤ちゃんが、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアとグレート・デーンのミックス犬に噛みつかれ、死亡してしまいました。

こちらはなんと、側にいた母親の大きなくしゃみに驚き、近くにいた赤ちゃんをかんでしまったとのこと。

 

・2019年、アメリカのオハイオ州で49歳の女性が、飼っていたグレート・デーンに噛みつかれ、死亡しました。この女性は動物好きで、グレート・デーンは2年ほど前に引き取った保護犬だったそうです。

 

・日本では、2007年愛知県で放し飼いにされていたグレート・デーンが散歩中の女性を襲いケガを負わせました。

 

・2009年にも、愛知県で放し飼いにされていたグレート・デーンが近くの犬を噛み殺し、散歩中の男性にも襲い掛かりました。

このグレート・デーンはかけつけた警察官によりその場で射殺されました。

 

・2020年には、富山市で生後11か月の赤ちゃんが、飼っていたグレート・デーン2頭に頭を噛まれ死亡するという事件が起きました。2頭は柵をめぐらせた庭で放し飼いにされており、祖父が赤ちゃんを抱いてエサ皿を取りに行った際に襲われたようです。

 

まとめ

グレート・デーンは、最大で体高107㎝、体重90kgにもなるドイツ原産の超大型犬です。

「犬の中の太陽神アポロン」と呼ばれるほど、強さと美しさを兼ね備えています。

 

グレート・デーンは超大型犬の中でも比較的飼いやすいのですが、その力の強さゆえに、飼育環境には細心の注意を払う必要があります。

放し飼いにされて他人を襲った事件は論外ですが、アメリカや日本でも起きた小さい子供が襲われた事件から考えられるのは、きちんとしつけをしていても、新しい家族が増える予定がある場合にはグレート・デーンのような超大型犬は初めから飼育するべきではないということです。

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