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アカハライモリ(ニホンイモリ)の毒性は?その生態や寿命について 

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アカハライモリはその名の通りお腹が赤いイモリで、この赤色は「オレに触るとキケンだぜ」もしくは「それ以上私に近寄らないで!」という警告色にもなっています。

今回の記事では、アカハライモリ(ニホンイモリ)の毒性・生態・寿命について解説します。

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アカハライモリとは

アカハライモリ

出典:フォト蔵

アカハライモリは、有尾目・イモリ科・イモリ属に属する両生類です。

学名は「Cynops pyrrhogaster」、英名は「Japanese newt」「Japanese fire belly newt」、和名は「アカハライモリ」ですね。

和名では「アカハラ」「イモリ」「ニホンイモリ(日本井守)」と呼ばれることもあります。

「井守」の由来は、イモリが池や井戸など水のある場所をまるで守護しているようだからとされます。

アカハライモリ

出典:opencage.info

 

分布域、どんな場所に生息している?

アカハライモリは日本の固有種で、分布域は本州・四国・九州・佐渡島・隠岐諸島・壱岐島・大隅諸島・中之島などです。

淡水性なので、水田・池・小さな泉・川・流れのない用水路などに生息しています。

北海道や伊豆諸島には本来生息していませんが、人間が持ち込んだ個体が繁殖して増えてしまい、問題になっています。

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体の特徴

アカハライモリの体長は10㎝前後です。

体色は背中が黒や黒褐色で、腹面には赤地に黒色の斑点模様があります。

しかし、体色に関しては、地域によって個体差があり、黒い部分が多い個体、斑点がほとんどない個体、背中にも赤色が表れる個体とさまざまです。

アカハライモリ

出典:wikimedia

 

生態

アカハライモリの食性は動物食で、昆虫・ミミズ・両生類の卵や幼生などを食べています。

動物園では、ナマズ用ペレットや冷凍赤虫を餌にしていますね。

冬になると落ち葉の下や石の下などで冬眠します。

 

アカハライモリの寿命は?

アカハライモリの寿命は20年ほどとされ、飼育下では25年も生きた記録があります。

ペットとして飼うにはかなり長生きしてくれるので、愛着も湧きますね。

ちなみに、他の種類のイモリも20年ほどと長生きです。

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イモリの驚異的な再生能力!

イモリやサンショウウオといった両生類有尾目にはシッポや手足の再生能力が備わっています。

「トカゲのシッポ切り」は、不祥事などが発覚した際に、下の者に責任を擦り付けて、上の人間が上手いこと逃げるという、庶民には受けの悪い言葉にもなっていますね。

 

実際にトカゲがシッポを切って逃げることを「自切(じせつ)」と言い、外敵から身を守るため、生命維持に問題のない体の部位を切り離し、敵がその部位に気を取られている間に本体が安全な場所に逃げるという行動になります。

トカゲにとってその部位がシッポや手足でなり、シッポには「自切面」という節があって、危険が迫ればそこからすぐにシッポが切断できるという仕組みになっているのです。

 

ちなみに、いくら節があるとはいえ切断直後は出血しますが、筋肉が収縮して出血が止まるようにできているので、自切によって出血死することはありません。

 

アカハライモリの毒性

アカハライモリ

出典:wikimedia

アカハライモリの毒は、テトロドトキシンというものです。

お腹のド派手な赤い色は、自身が毒を持つ生物であることを周囲に知らせるための警告色となっていて、危険が迫るとひっくり返って赤いお腹を相手に見せます。

 

テトロドトキシンはフグ毒として有名で、アカハライモリの皮膚にはこの猛毒が分泌されています。

アカハライモリを触っただけでは何も害はありませんが、毒が目に入ると痛みや炎症といった症状が現れます。

 

テトロドトキシンへの対処法はないので、予防法としては、アカハライモリに触った後はしっかり手を洗うことが大切になります。

 

人への危険性は?

アカハライモリ

出典:opencage.info

アカハライモリは昔から「イモリの黒焼き」として食べられることがありましたが、死んだ人や具合が悪くなった人はいないとされます。

テトロドトキシンは300℃以上に加熱しても分解されませんが、人間の経口致死量は1~2mgとされるので、アカハライモリはそれほど多くの毒を保有していないと思われます。

さらに飼育されている個体はもっと毒の量が少ないとされます。

 

アカハライモリを食べて体に毒の影響が出るのは、体が小さい捕食者なのかもしれませんね。

ちなみに、アカハライモリの天敵は、鳥・ヘビ・ムカデ・クモなどです。

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アカハライモリのフェロモンとは?

アカハライモリは毒と同じくらい「性フェロモン」が有名ですね。

昔の日本にはイモリがたくさんいて、日常的にイモリの繁殖場面を目撃することが多かったため、特に意識されるようになりました。

このため、サプリメントがなかった頃から、「イモリの黒焼き」は男性の滋養強壮・精力増強の薬として珍重されていました。

 

魔術的な意味合いで惚れ薬として使われることもあり、粉末にした「イモリの黒焼き」を好きな女の子に振りかけると、その子が自分を好きになってくれると信じられていました。

「惚れ薬」と言うけれど、そんな暴挙に出られたら女の子はドン引きして逆効果…下手をしたら警察沙汰です。

 

この「イモリの黒焼き」は「千と千尋の神隠し」にも登場したので、興味を持った方も多いでしょう。

オスのフェロモンは「ソデフリン」、メスのフェロモンは「アイモリン」で、2つの名前は万葉集に納められた恋愛に関する和歌に由来しています。

縁結びの神様ならぬ、縁結びのフェロモンですね。

宮崎駿監督がここまで意識して作品に「イモリの黒焼き」を登場させたのかは不明ですが、古の日本の情緒と映画の雰囲気がピッタリ重なりますね。

 

まとめ

アカハライモリの毒は、テトロドトキシンという猛毒です。

しかし、アカハライモリはそれほど多くの毒を保有していないと思われ、これまで人間が死亡したような例はありません。

ただ、アカハライモリを触っただけでは何も害はありませんが、毒が目に入ると痛みや炎症を起こすため、アカハライモリを触った後はしっかり手を洗いましょう。

 

アカハライモリは体色の鮮やかさと、飼育のしやすさから人気のある両生類です。

愛嬌があって見飽きず、長生きするペットを探している方にはピッタリですよ。

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