近年、ニュースにもなっているカミツキガメの名は、皆さん聞いたことはあると思います。
カミツキガメはアメリカ原産で、もともと日本にはいない種のカメなのですが、1960年代にペット用として日本に持ち込まれました。
そして、持て余した飼い主が近所の池に逃がしたことがきっかけとなり、飼育放棄されたカメが野生下で繁殖し問題となっています。
現在は、特定外来生物に指定されており、飼育するのは法律で禁止されています。
今回はそんな、カミツキガメの生態と危険性についてご紹介させていただきます。
カミツキガメの特徴
学名 | Chelydra serpentina |
英名 | Snapping turtle |
分類 | カメ目カミツキガメ科カミツキガメ属 |
原産 | 北アメリカ、中米 |
大きさ | 最大50cm |
カミツキガメは、爬虫綱カメ目カミツキガメ科カミツキガメ属に分類されるカメです
カミツキガメの特徴は何と言ってもその大きさにあり、甲羅の大きさは最大で50センチにもなります。
甲羅の大きさが最大で80センチにもなるワニガメよりは小さいですが、一般的なマンホールの蓋の大きさが60センチであるということを考えれば、50センチの甲羅が亀としてはかなりの大きさであることが分かりますね。
甲羅には縦に3本の隆条があり,後端はギザギザで腹甲は小さく.手足と頭部は大きくごついです。
口はワニガメほどではありませんが、上下が尖っており、噛み付かれると刺さって痛そうですね。
カミツキガメは他の亀と比べて、尻尾が長いという特徴があります。
また、頭も長く伸ばせるそうなので、頭の先から尻尾の先までは大きいもので1メートルにもなるそうです。
そして、鋭利で長い爪を持っています。
カミツキガメの生態
カミツキガメは水棲で、一生のうちのほとんどを沼や池で過ごします。
カミツキガメは水の流れが速い渓流などには生息せず、水のそこに泥が溜まっていたり、岩や流木などの遮断物が多い環境を好みます。
気温の変化にも滅法強く、日本国内では北海道と東北を除く全ての都道府県で存在を確認されています。
冬以外ならいつでも繁殖が可能ですが、多くの場合、産卵期は初夏にピークを迎えるそうです。
そして産卵の数は20~30個が普通とされているようですが、稀に100個以上の卵を産むケースもあるそうです。
原産国であるアメリカでは、天敵となるワニや大型の蛇などによって子供のカミツキガメが食べられて数は減っていますが、日本にはそれらの大型の捕食動物がいないため、人間に見つからない限りはどんどん数を増やしていくことができてしまいます。
カミツキガメは雑食性で、昆虫や蛙や蛇といった生き物から、葉や茎や花といった植物まで口に入るものなら何でも食べます。
寿命は小型の亀で20~30年、大型の亀で30~50年とされておりますが、カミツキガメの寿命は50~80年ほど生きられるのではないかと考えられております。
もし近くの池でカミツキガメを見かけても、一般の方が捕獲することは禁止されております。
必ず市に電話して捕獲してもらうようにしましょう。
カミツキガメの危険性
カミツキガメの噛む力はかなり強力で、20センチ程度だと動物にひっかかれた程度で済むそうですが、40センチにもなると肉を引きちぎられるそうです。
指を持っていかれるかどうかは、噛まれてみないと分かりませんが、縫う必要があるくらい噛まれるなら絶対に近寄らないようにしたほうがいいですね。
カミツキガメは基本的に臆病なので、むこうから襲ってくることはありません。
水中にいるカミツキガメは、自分より大きい生き物を見つけるとすぐに逃げてしまうそうです。
しかし、陸にいるときのカミツキガメは、水中ほど素早く動けないため警戒心が強く、目の前のものに噛み付く習性があるそうです。
珍しいからと、ちょっかいを出していると見た目からは想像もつかない俊敏な動きで噛みつきに来ます。
もし陸でカミツキガメを見かけても、絶対に頭付近に指を差し出さないようにしましょう。
棒でつんつん突くのはアリか?と聞かれればナシです。
カミツキガメは見た目によらず俊敏で、首を伸ばしてジャンプすることができます。
陸で出会ったカミツキガメの前に立つことは極めて危険なことなのです。
後ろなら大丈夫かと思われるかもしれませんが、警戒したカミツキガメは反転して後ろを向いてきます。
カミツキガメにちょっかいを出すと・・。*絶対にマネしないで下さい。↓
もしも、カミツキガメを見つけたら興味本位で近寄らず、警察か役場に連絡しましょう。
もし噛まれたらどうすればいい?
万が一カミツキガメに噛まれた場合は、無理に引っ張って取ろうとしてはいけません。
そのまま肉を引き裂かれてしまいます。
もし噛まれたら、カミツキガメと一緒にその部分ごと水中に浸けてしまいます。
水棲であるカミツキガメは、水中では素早く逃げ去ることもできるので水中に戻してあげましょう。
そうすることで、カミツキガメのほうから逃げてくれるそうです。
もし近くに大きな水溜りがないなら、上から水をかけてもいいそうです。
噛みつかれた傷口は、感染症を起こして化膿してしまうかもしれないので、しっかりと消毒して心配なら病院へ行きましょう。
まとめ
カミツキガメは甲羅の大きさが最大50センチにもなる大型のカメです。
基本的に臆病なので、むこうから襲ってくることはありませんが、ちょっかいを出していると見た目からは想像もつかない俊敏な動きで噛みつきに来ます。
カミツキガメは濁った水場を好むため、そうそう遭遇することはない生き物ですが、もし出会ったとしても絶対に近づかないほうがいいでしょう。
珍しいからといってスマホ片手に近づいて噛まれたら、包丁で指を切るより大怪我をすることになります。
だからといって放っておいても繁殖されますので、必ず市に電話して駆除してもらったほうがいいでしょう。
ちなみにカミツキガメの肉はすっぽんよりも味が濃く、美味しいらしいです。
見つけても捕まえようとしないことをお勧めしますが。