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危険な鳥類

ヒクイドリはギネス認定の世界一危険な鳥!蹴りで人を殺せる!?

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鳥類は、私たち人間の身近で生活している代表的な野生動物です。

カラスやスズメを見ない日は無いほどです。

そんな鳥たちの中でも、危険性の高い鳥、というと、主に猛禽類を思い浮かべるかもしれませんが、世界で最も危険な鳥として、ギネスブックにも紹介されたことがあるのが「ヒクイドリ」なんです。

と言っても、日本に生息しているわけではないので安心して下さい。

今回は、この世界NO1の危険な鳥ヒクイドリについて、詳しく見ていきましょう。

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ヒクイドリってどんな鳥?

ヒクイドリ

出典:wikimedia

学名Casuarius casuarius
英名Cassowary
分類ダチョウ目ヒクイドリ科
分布・生息域インドネシア、ニューギニア、オーストラリア
大きさ127~170cm

「ヒクイドリ」は、ダチョウ目ヒクイドリ科の飛べない鳥です。

インドネシア、ニューギニア、オーストラリア北東部の熱帯雨林に生息しています。

オーストラリアでは「カソワリー」と呼ばれており、とても有名な鳥なんです。

 

ヒクイドリの全身は黒い毛髪状の羽毛で覆われており、頭部には茶褐色のトサカがあり、顔と喉は青色をしています。

喉から二本の赤く垂れ下がった肉(肉垂)がついており、それが火を食べているように見えることが、名前の由来になっているという説があります。

 

ヒクイドリは、世界で3番目に大きな飛べない鳥です。

ちなみに世界で1番大きな鳥はダチョウ、2番目はエミューです。

しかし、ダチョウやエミューが乾燥した大地を好むのとは対照的に、ヒクイドリは熱帯雨林に生息しているんです。

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子育てはオスの仕事

ヒクイドリの全長は一般的に、127~170cm、体重はメスが約58kgほど、オスが約30kgほどです。

オスの方が小さいんですね。

 

6~10月の繁殖期のみにつがいになるという、普段は単独行動の鳥なんです。

メスは鮮やかな薄緑色の卵を、1回に3~4つ程産卵します。

しかし、メスは卵を産むだけで温めたり、ヒナ鳥の面倒は見ません。

メスは産卵後すぐに次の繁殖相手を探しに、さっさとどこかへ消えてしまいます。

 

ヒクイドリは、メスの代わりに、オスが子育てするのです。

そのためオスは約50日卵を温め、孵化したヒナを約1年間単独で育てるのです。

もしもヒクイドリの親子を見る機会があったなら、それはお父さんと子供たちですので、暖かく見守りたいですね。

 

危険な鳥と言われるワケ

ヒクイドリは、世界一危険な鳥としてギネスブックに紹介されたことがある鳥です。

では、いったい何が危険なのか?

 

何と言ってもヒクイドリの大きな特徴は、その太く強靭な足です。

足は硬い鱗で覆われており、3本の指には鋭く大きな鉤爪があります。

翼は小さいので飛ぶことはできませんが、その強い脚力で時速50キロ程度で走ることができます。

 

ヒクイドリの攻撃は、この強靭な足から繰り出される蹴りです。

この蹴りの強さは、簡単に人間の骨を折ってしまうほどの威力を持っており、丈夫な鉤爪にも高い殺傷力があります。

これこそが、ヒクイドリが危険な鳥だと言われる所以なのです。

ヒクイドリが攻撃する映像がこちら↓

人間が殺された事例

もともと用心深くて臆病な性格のヒクイドリ。

本来であれば捕食される側なので、自ら進んで襲ってくることはありません。

大抵は何かあっても、すぐに逃げることが多いのです。

しかし、身の危険を感じ逃げ切れないと判断した時には、一転、激しい攻撃性と気性の荒さを見せます。

 

そんな危険な鳥とされているヒクイドリ、人間が殺されたとされる事例もあります。

1926年、当時16歳だった少年が兄弟と一緒に、ヒクイドリを殴り殺そうとしたところ、逆襲に合い反対に殺されてしまいました。

 

また、第二次大戦中には、多くの兵がヒクイドリに襲われ、中には死亡した兵もいたと言われています。

 

いくら大人しい性質の動物であっても、危険に遭遇すれば本能で攻撃してきます。

多くの野生生物は人間にとって危険な存在であり、不用意に近付けば命さえ落としかねないということを、肝に銘じなければいけませんね。

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ヒクイドリの役割

ヒクイドリは、熱帯雨林には欠かせない鳥です。

その大切な役割は「森を豊かにすること」です。

 

ある研究によると、ヒクイドリは100種類以上の植物の果実や木の実を食べているそうです。

大きな種子を持った果実も丸呑みし、エサを求めて1日に20km歩き回ることもあります。

そんなヒクイドリが、移動したいろいろな場所でフンをすることで、そこからまた新しい木々が生えてきます。

そうしてヒクイドリは、豊かな熱帯雨林の形成に重要な役割を担っているのです。

 

もちろん植物は自分で種を飛ばすこともできますが、それには限界があります。

広範囲に種を運ぶためには、動物たちの力が必要なんです。

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鳥よりも恐竜に近い?

飛べない鳥のヒクイドリですが、実は恐竜に近いと言われているんです。

恐竜の研究が進んだ現在では、恐竜は鳥類に似ているとされているのです。

最近のテレビでも、恐竜がカラフルな色の毛皮で覆われている姿をよく目にします。

これはそれらの研究をもとに映像化された、最新の恐竜の姿なんです。

言われてみると確かに、ヒクイドリの特徴であるあの足は恐竜そのものですよね。

 

絶滅危惧種指定と人間のエサやり問題

ヒクイドリ

出典:wikimedia

そんなヒクイドリですが、現在では絶滅危惧種に指定されています。

理由は、

・かつて人間によって駆除された過去があること

・生息地である熱帯雨林を人間が伐採して住処を減らしてしまったこと

などです。

 

オーストラリア北東部の熱帯雨林は縦長で、所々途切れているのが特徴です。

そのためヒクイドリの移動も簡単ではないため、地域ごとに隔離されている状況なのです。

こうしてその数を減らしていたヒクイドリに、生息地である熱帯雨林をサイクロンなどが襲います。

結果、エサ不足に陥り餓死するヒクイドリも多く発生したため、エサを求めて人間の住む場所までさまよい出てくることが懸念されました。

 

実際にヒクイドリに遭遇した人が、パンなどを与えたために、人間を恐れなくなってしまったヒクイドリもいます。

人間に慣れてしまったヒクイドリは危険です。

エサを求めてヒクイドリの方から近付いてくるからです。

人間と接する機会が多くなると、危害を加えられるような事例も出てきます。

野生生物ですから当然ですよね。

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ヒクイドリのための保護活動

現在は保護活動の一環として、生息地である熱帯雨林の再生化が行われています。

孤立している熱帯雨林の間に木を植えて、廊下のようにつなぎ、ヒクイドリが移動しやすいようにしているのです。

道路に「ヒクイドリに注意」の看板を立てたり、エサを与える行為にも、最大で3000ドルの罰金が科せられるようになりました。

こうして法律で規制したり、世界遺産に登録して環境を守ったり、地域だけでなく国全体で取り組んでいるんです。

 

人間のエサを食べてしまうと、熱帯雨林にある果実を食べる回数が減ってしまいます。

すると森が育たなくなり、エサ不足へと繋がります。

野生動物にエサをあげるのは、人間の勝手な都合にしかすぎません。

人間を追って道路に飛び出して車に轢かれるなど、ヒクイドリにとっていいことは何もないのです。

 

まとめ

ヒクイドリは、世界一危険な鳥としてギネスブックにも紹介された飛べない鳥です。

強靭な足から繰り出される蹴りは、時には人が死亡するくらい強力なものです。

 

最強生物のように見られている反面、現在ではその個体数が危ぶまれ、絶滅危惧種に指定されているヒクイドリ。

生息地の減少や、エサを与えることによって、人間を恐れなくなった野生動物ほど恐いものはありません。

それは私たちの日本でも同じことです。

野生動物への介入はあくまでも、自然のルールを壊さない方法で行わなければなりません。

自己満足による安易な行動こそが、実はヒクイドリをはじめ野生動物たちを殺す行為に繋がることを自覚しなければなりませんね。

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