カッコイイ見た目で子供にも大人にも大人気のジャガー。
動物園ではいつも人だかりです。
ですがジャガーは自然界では勝る者もいないほどの実力者。
その圧倒的なパワーと獰猛さで捕食者として最高位に位置します。
今回は、そんなジャガーの生態とその危険性についてご紹介します。
目次
ジャガーってどんな生物?
ジャガーは食肉目ネコ科ヒョウ属に分類される食肉類です。その多くはアマゾンの熱帯雨林や沼地、草原や林等に生息しています。
体には角張ったリング状の黒い斑紋があるのですが、この斑紋は途中で切れています。
そして中にはさらに小さな黒斑が見られることが特徴です。
体長は120~180cmほど、体重は50~150kgになり、ネコ科の動物としてはトラとライオンに続く大きさです。
足は他のネコ科と比べて比較的太めであり逞しく、尾は短めで体の半分くらいしかありません。
体毛は黄色であり背中には黒い斑紋に囲まれたオレンジ色の斑紋があります。
また、5%ほどの確率で黒変種のクロジャガーがいるそうです。
その強そうな見た目に反せずに南アメリカ付近では「食物連鎖の頂点に君臨する」と言われているほどの強さを持ち、「アマゾン最強の捕食者」とまで言われ恐れられています。
名前の由来がそもそも恐ろしい
「ジャガー」の名前の由来は、南アメリカのインディアン語である「ヤガー」という言葉から来ています。
これは「一突きで殺す者」という恐ろしい意味であり、それほどまでに卓越した顎により噛む力が非常に強いことが特徴です。
また他のネコ科と比べて頭部が大きいこともあり、その分顎の筋力も強いのです。
カイマンの頭くらいでしたら丸ごとそのまま噛み砕けてしまうというパワーを持っているのです。
広大な縄張り
ジャガーの縄張りは非常に広く、実に数平方万キロにも及びます。
縄張りには爪研ぎや排泄物でマーキングをしています。
人間の居住区が1度ジャガーの縄張りに入ってしまうと、家畜や人も襲われてしまうこともあるそうです。
また雨季よりも乾期の方が移動距離が広くなります。
ネコ科の動物は水を嫌がる傾向が強いですが、ジャガーにおいては泳ぎを得意としますので、哺乳類のみならず魚やカメや小型のワニ、そして蛇なども捕食してしまいます。
まさに弱肉強食のこの世界で、捕食者としての頂点に立つ生物と言っても過言ではありません。
獲物の捕らえ方が猛々しい!
同じネコ科でもトラやライオンは獲物の首に噛み付き、相手の息の根を止めて仕留めます。
ですがジャガーにおいては、その屈強な前足でまず獲物の体を叩き落とします。
例えばカピバラやペッカリーのように草食動物の中でも筋力が弱い生物であったり小柄な生物ですと、この最初のパンチで生死が決まってしまうこともあります。
ワニなどの抵抗が強い生物が相手ですと、押さえつけて固定させた上で首元に噛み付き、更には強い顎の力でそのまま振り回して息の根を止めます。
また最初から顎を使った狩猟をする場合であっても、ライオンなどは相手を窒息死させるためにクビに噛み付くのと比べて、ジャガーは獲物の急所や即頭部を最初から「噛み砕く」という恐ろしい仕留め方をするのです。
まるで忍者のような忍び歩き
遠めに獲物を見つけた瞬間から、ジャガーの狩りモードは既に始まっています。
ジャガーがその獲物に近付くまでの特徴は、その物音を立てない忍び歩きです。
俊敏性や持久力だけで勝負するのではなく、まるで忍者のように獲物の背後に忍び寄り気配を消したまますぐ近くまで追いつきます。
気付いた時には時既に遅し・・・。
ジャガーお得意の猛烈な前足のパンチであっという間にあの世生きです。
木に登っても水に潜っても逃げられない!?
ジャガーは、がっしりとした体格であるにも関わらず、ヒョウと同じく木登りの名人でもあります。
なので、もしもジャガーと出会ってしまっても、木に登って逃げてもすぐに追いつかれてしまいます。
また前述の通り水を恐れませんので、ネコは水が苦手だろう!と川に逃げ込んだとしても彼らはスイスイと泳いでこちらも掴まってしまいます。
アマゾンなどで人間がジャガーと出くわしたが最後、銃などを持っていない限りは死を覚悟するしかないのです。
ジャガーとヒョウの見分け方
ジャガーとヒョウって似てますよね。
その見分け方をご存知ですか?
前述したように、
・ジャガーにはリング状の黒い斑紋がありその中に黒い点があるのですが、ヒョウには黒い斑紋の中に点がありません。
また、もしも並べてみたら分かるでしょうが、
・ジャガーの方が頭が大きく、足は太く短く尾も短い、そして全体的にどっしりしています。
ジャガー 出典:os felinos ヒョウ 出典:wikimedia
ジャガーとヒョウは同地域に生息していないので、自然界において見分ける必要はないでしょうが、動物園に行ったときなんかに観察してみて下さい。
まとめ
ジャガーは、主にアマゾンに生息する大型のネコ科の肉食獣です。
木登りや泳ぎまで達者な、アマゾン動物界最強の捕食者と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
カッコイイだけではないジャガーの恐ろしさが伝わっていただけたかと思います。
ですがあるインディアンの部族の中では、「部族の子供たちと遊ぶためにジャガーが森から出てきた」という出来事も伝わっています。
その毛皮などを目当てに乱獲が危惧されているジャガー。
彼らの縄張りにさえ入らなければ、もしかしたら共存できる道もあるのかもしれません。