サイと言えば、大きな体と頭部のツノが思い浮かびますよね。
日本の動物園でもおなじみのサイですが、世界的に個体数が減少し絶滅の危機にあるのです。
今日は、サイ(犀)の生態や種類、角目的の密猟についてご紹介させていただきます。
目次
サイの生態
学名 | Rhinocerotidae |
英名 | Rhinoceros |
分類 | 奇蹄目サイ科 |
分布・生息域 | アフリカ、東南アジア |
大きさ | 体長2.4~4m、体重800~3000kgほど |
サイは、奇蹄目サイ科に分類される哺乳類です。
アフリカと東南アジアの草原や森林、熱帯雨林、湿地に生息しています。
体は灰色の個体が多いのですが、泥遊びが好きなので、泥や土の色に見られることが多いです。
サイは基本的に夜行性であり、日没後の黄昏時から明け方まで活発に行動します。
縄張りを作り、一生のほとんどをそこで暮らします。
縄張りは尿や糞、足跡などでマーキングするみたいです。
その縄張りの大きさは2〜100㎢と、種によってはかなり大きい縄張りを持ちます。
サイは草食動物で、草や葉を食べます。
植物食であるサイにとって、ミネラルや塩を摂取することは需要で塩を舐めることがよくあります。
種によっては海水を飲むこともあるんだとか。
サイは嗅覚、聴覚が優れているみたいです。
地面に残された匂いを嗅ぎ取り、仲間やメスなどを判別することが可能です。
大きな耳を自由に動かすことができます。
エサを食べている時も動かし警戒するようです。
しかし、視力はとても弱い動物です。
30mも離れると、動かないものは視覚では判別できないようです。
寿命はそこそこで、野生では25〜40年ほど生きるみたいです。
大きな体ですが、見かけによらず最高時速50kmで走れるんだとか。
ボルト選手で約時速38kmなので、追いかけられると人間ではまず逃げられませんね・・・
体も大きいですし突進されると、ひとたまりもありません。
分厚い皮膚
サイの体は頑丈な皮膚で覆われおり、世の動物の中でも最も硬くて厚いといわれています。
皮膚の厚みは1.5〜5cmもあり、肉食獣の爪や牙も簡単には通しません。
したがって、肉食動物に襲われて捕食されることは、ほぼほぼないんです。
また、熱にも強く100℃もの熱を数秒当ててもピクリともしないそうです。
その頑丈さから、昔はサイの皮膚でヨロイを作っていたともいわれています。
サイの角は毛!?
また、サイの身体的な大きな特徴と言えば、頭部に生えた角でしょう。
骨みたいに見えますが、実は角の材質は角質であり、髪の毛や爪に近い物質なのです。
そのため、折れてしまっても、しばらくすると伸びてくるそうです。
サイのツノは2本が一般なのですが、インドサイ、ジャワサイのツノは1本だけです。
生息地と種類
つづいてサイの生息地と種類についてです。
サイはアフリカ大陸の東部と南部、インド北部からネパール南部、ミャンマー、マレーシアとインドネシアの限られた場所に生息しています。
実は世界でもなかなか個体数が少ない動物なんです。
アフリカ大陸のものはシロサイ、クロサイ
インドやミャンマーなどではインドサイ
マレーシアとインドネシアではジャワサイ、スマトラサイが分布しています。
現在生息しているサイは、上記の5種類のみです。
シロサイ
5種類の中で一番大きいのはシロサイです。
体長は370〜400cm、体重は2300kg程もあります!でかいですね!
シロサイはアフリカ大陸に生息しています。
角は2本あり、大きいと1.5mにもなるのだとか!
また、他のサイと比べて幅の広い口を持っています。
そのシロサイなんですが、体が白いからシロサイという訳ではありません。
名前の由来は他のサイに比べ幅の広い口を持っており、現地の言葉で「widje」というのですが、英語に訳すときに間違えて「white」と伝わってしまい、日本に伝わると間違ったまま訳されたシロサイと呼ばれるようになったみたいです。
シロサイからしたらいい迷惑ですね。
クロサイ
アフリカ大陸に生息していて、体長300~400cm、体重1800kg程あります。
角は2本あり、長いものだと1m以上にもなるそうです。
シロサイの口は平たくて広いですが、クロサイの口は尖った形をしています。
スマトラサイ
一番小さいのはスマトラサイ、体長240〜320cm、体重800kg程です。
それでも大きいですね。
インドネシアの一部に生息していて、標高の高い森林などに生息しています。
角は2本で小さく、20cm程しかありません。
スマトラサイは4000年前から形状が変わらず、最も原始的なサイと言われています。
インドサイ
インドやミャンマーなどの森林や草原地帯に生息していて、体長320~420cm、体重2000kg程です。
角は1本しかなく、だいたい30cmほど、大きいもので60cmくらいになるそうです。
皮膚がヨロイのように見えるのが、インドサイの特徴です。
ジャワサイ
体長は300~320cm、体重1800kg程です。
以前は、インドやマレーシアにも生息していましたが、現在はインドネシアのジャワ島にしかいないそうです。
角は1本で、短く20cm程で、雌にはツノが無い個体も見られます。
インドサイと同じく、皮膚がヨロイを着ているみたいに見えます。
サイの個体数減少と人間の関係
実は、サイは全5種類が絶滅の危機にあるのです。
その原因は人間による密猟です。
ツノを目当てにした密猟により個体数が少なくなっています。
なんでも、サイのツノは金より高い価値で闇取引されてるんだとか・・・
その使われ方はというと、工芸品や漢方などとして使われるみたいです。
一部の地域では、サイのツノはガンにも効く特効薬だと言われているそうです。
しかし、実際のところ医学的にはサイのツノには薬としての効果はほぼないみたいです。
また、象牙と同じく、サイのツノは富の象徴として一部の富裕層に人気があり、高値で取引されているそうです。
サイの密猟対策として、保護区を設けてパトロールをしたり、最初からツノを切り落とすなどして保護を進めているようです。
24時間体制で警備している地区もあるようですが、なかなか密猟は止まらず、サイは年々減少傾向にあるということです。
人間への危険性
しかし、サイは人間にとって危険な一面もあります。
サイが人間を襲うという事件もあるのです。
アフリカでは、野生のサイと記念撮影をしようとした女性が、背後からツノで刺され肋骨や肺にケガを負った人もいます。
また、ネパールでは、市街地に迷い込んだサイが暴れ1人が死亡、6人が負傷したという事件も起きました。
日本だから安全というわけではありません。
2016年12月に日本のサファリパークにて男性従業員がサイを獣舎に追い込む際、襲われ肝臓を損傷する重症を負おっています。
この日は4頭のうち1頭が獣舎に戻らなかったため、通常2人で車内から追い込む作業を1人で外に出て追い込んだところやられたということです。
あの巨体が時速50kmで来るのだから恐ろしいですね。
なんにせよ、サファリパークでは安易に外に出ることはとても危険なのでやめましょう。
まとめ
サイは、大きな体と頭部に生えた角が特徴的な、アフリカとアジアの一部に生息する動物です。
動物園でもお馴染みのサイ、実は種類も少ないし絶滅危惧種でもあるんですね。
その原因は、角を目的とした人間による密猟であるということはとてもショックですね。
しかし、人間も襲われるということもあります。
身を投げ出すなどよっぽど危険な行為をしない限り襲ってこないので、サファリパークに行った際などには、車内から安全に見学しましょうね。